有田市・堤防を強化した日根藤六の功績伝えるヒマワリの種植え
2023年05月12日 20時51分
およそ230年前の有田川の洪水で決壊した堤防の復旧に尽力した紀州藩の奉行・日根藤六の偉業を伝えようと、きょう(12日)有田市の小学生と地元の有志が、有田川の河川敷にヒマワリの種を植えました。
およそ230年前、江戸時代後期の1790年、有田川の大洪水で堤防が決壊し、現在の有田市一帯が甚大な洪水被害を受けました。藤六は農民を救うため、藩主に堤防の復旧を訴え、堤や堰を増築するなど補強しました。その後、昭和28年・1953年7月18日の水害では、藤六が復旧した部分の堤防は決壊せず、住民の命を守りました。
この逸話を風化させまいと、有田市の有志でつくる「向日葵応援隊」や宮原愛郷会のメンバーが、5年前から、藤六の顕彰碑が建つ有田市宮原町須谷の土手にヒマワリの種を植えて、水害のあった7月18日ごろ花を咲かせる活動を行っていて、おととし(2021年)からは有田市立宮原小学校の児童も加わっています。
きょうは、宮原小学校の4年生が、向日葵応援隊の高関俊明代表80歳らとヒマワリの種を土手に植えて、水をかけました。児童らは「地元の人たちのために堤防を強化した藤六さんはすごい人だと思いました。藤六さんにありがとうの気持ちを込めて種を植えました」と話していました。
小学5年の頃に昭和28年の水害を体験した向日葵応援隊代表の高関さんは「日根藤六の逸話が段々と忘れられてしまうことに危機感を持ち、この取組みを始めました。子どもたちをはじめ、多くの人たちに堤防や藤六の事を知ってもらい、防災意識を高めてもらいたい」と意義を語りました。
ひまわりの咲くころ、藤六の石碑の周囲は、有田市のフォトスポットのひとつとして、 憩いの場になるということです。