和市・雑賀崎漁港で 首相演説前に爆発音

2023年04月15日 18時08分

事件・事故政治社会

きょう(4/15)午前、衆議院和歌山1区の候補者応援のため、和歌山市の雑賀崎漁港を訪れていた岸田文雄(きしだ・ふみお)総理大臣が街頭演説を前に待機していたところ、演説場所の近くに、筒状のものが投げ込まれ、爆発しました。岸田総理大臣にケガはなく、男1人が警察に逮捕されました。

男を取り押さえる警察官(2023年4月15日・雑賀崎漁港で)

きょう午前11時半頃、和歌山市の雑賀崎漁港にある漁協の施設で、岸田総理が、衆議院和歌山1区の補欠選挙で候補者を応援するため訪れていたところ、演説を始める前に、銀色の筒状のものが投げ込まれ爆発しました。岸田総理は、避難してけがはありませんでしたが、現場にいた警察官1人が軽いケガをしました。

筒状のものを投げた男のすぐ前で演説が始まるのを待っていて煙を噴き上げながら投げ込まれた筒状のものを見た女性は、「私の斜め後ろから、太さ3センチ、長さ20センチくらいの銀色の円柱のものが投げ込まれたので、振り返ると、漁協関係者とみられる男性が、男を取り押さえてくれていた。もう一つ、男の足元に落ちていたが、煙は出ていなかった。安倍元総理の事件もあった中で、こんなことが本当にあると思わなかったので、動揺しているし、恐さも感じた」と話しました。

事件が起きたのは、岸田総理がマダイや足赤エビなど地元の海産物を試食した後、200人以上の聴衆の前で演説を始めようとしていた時で、自民党の候補者と話をしていました。

演説を前に、地元の海産物を試食する岸田総理

男が筒状のものを投げた後、およそ50秒後に岸田総理がいた場所の付近で爆発音があり、白い煙が上がり、聴衆の悲鳴などで現場は騒然となりました。

岸田総理は、雑賀崎漁港での演説を取りやめましたが、その後、JR和歌山駅前での演説を行いました。

筒状のものを投げ入れた男は、その場で漁協の関係者に取り押さえられ、警察に逮捕されました。

和歌山県警察本部によりますと、威力業務妨害の疑いで逮捕されたのは、兵庫県川西市の木村隆二(きむら・りゅうじ)容疑者24歳で、調べに対し、「弁護士が来てからお話します」と供述しているということで、警察は、動機や詳しいいきさつを調べる方針です。

この件について、岸本周平(きしもと・しゅうへい)知事は、記者の質問に答え「私も何度も選挙を経験した人間であり、このような暴挙にけして屈してはならない」と怒りをあらわにし、岸田総理や関係者が無事で、容疑者が現行犯逮捕されたことについて「胸をなで下ろしている。容疑者逮捕に協力した市民や警察官には、県民として誇りに思う」と述べました。

また、和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は、「民主主義の根幹をなす選挙期間中に、このような暴挙が行われたことは、きわめて遺憾であり、断じて許されない行為。このようなことが和歌山市で起きたことは非常に残念でならない」とコメントしました。

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