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鈴木姓発祥の拠点完成 鈴木屋敷復元竣工式開催

2023年03月30日 22時29分

イベント歴史・文化社会

熊野古道・紀伊路(きいじ)の藤白王子跡にある海南市の「鈴木屋敷(すずきやしき)」の復元工事がこのほど完了し、きょう(3/30)、竣工式典が開かれました。

海南保健福祉センターで開かれた竣工式典(2023年3月30日)

鈴木屋敷は、平安時代末期に熊野から移り住んだ豪族の鈴木氏が拠点としたとされ、全国的に多い鈴木姓の発祥の地として知られています。

敷地には、源義経(みなもとのよしつね)が立ち寄り弓を置いたとされる松の古木などがあり、国の史跡にも指定されていますが、昭和17年、1942年に122代目の当主が亡くなり一族が途絶えた後、屋敷は老朽化し、建物の維持が難しくなったため、藤白神社や海南商工会議所などでつくる「鈴木屋敷復元の会」が海南市と連携して、クラウドファンディングを行い、およそ1300人から8500万円余りの寄付を受けたほか、国や県、市の補助も含めて復元されました。

復元された鈴木屋敷

きょう午前、復元された鈴木屋敷で竣工の儀式が行われ、全国各地の鈴木さんや関係者らが集まり、満開の桜の下で完成を祝いました。

また、午後には、海南保健福祉センターで式典が開かれ、鈴木屋敷復元の会の神出勝治(じんで・かつじ)会長が挨拶し、「185万人いる鈴木姓のふるさとはわが海南。きょうここに屋敷がよみがえった。訪れた皆さんが、屋敷の客間から庭園を眺め、熊野信仰の心を癒し、心を満たし、そしてよみがえって帰っていただきたい。今後、皆さんのお知恵を借りながら、活発に運営していきたい」と意気込みを語りました。

挨拶する神出会長

式典には、来賓として、海南市の神出政巳(じんで・まさみ)市長や和歌山県の岸本周平(きしもと・しゅうへい)知事のほか、衆議院和歌山3区選出の二階俊博(にかい・としひろ)衆議院議員や、自動車メーカ―・スズキの鈴木修(すずき・おさむ)相談役らが出席し、鈴木屋敷の復元を祝いました。

スズキ株式会社の鈴木顧問

鈴木屋敷の完成を前に、去年10月に亡くなった藤白神社の故・吉田昌生(よしだ・まさお)宮司の跡を受けた西岡良徳(にしおか・よしのり)宮司は、「ようやく完成したので、鈴木屋敷の存在を知ってもらい、全国の皆さんに来ていただいて広めてもらいたい。海南市の観光と文化交流の一拠点となることを目指していきたい」と話しました。

式典の前後には、藤白の獅子舞や、鈴木姓の観世流能楽師、鈴木啓吾(すずき・けいご)さんらによる謡と舞が披露されました。

披露された藤白の獅子舞

鈴木屋敷は、4月1日にオープンします。拝観料は300円です。

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