万博関連の情報<発信:和歌山県>

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和歌山県立医大でドローン使った医薬品搬送実験

2023年03月30日 17時07分

社会福祉・医療経済

大規模災害時や、へき地医療を想定し、ドローンを使って医薬品を運ぶための実証実験が、きょう(30日)午後、和歌山市の和歌山県立医科大学で行われました。

県立医大図書館棟の屋上に着陸する医薬品を載せたドローン(3月30日・和歌山県立医大)

これは、地域医療体制のDX・デジタル化推進をはかる一環として、和歌山県立医科大学と、データ通信大手のNTTコミュニケーションズ、それに医薬品卸業のケーエスケーが連携して県内で初めて行われる実証実験です。

和歌山県立医科大学では、ドローンを活用して、南海トラフ巨大地震など大規模災害時での医薬品の安定した供給体制づくりのほか、平時でも、過疎化が進む中山間地域に向けたオンラインによる遠隔診療と併せて、医薬品を早期に供給する医療体制づくりを目指しています。

ドローンの様子を写すモニター画面

きょうの実験では、県立医大の図書館棟から和歌川沿いにおよそ1・5キロの和歌山河川公園のテニスコートから、注射用の液体抗がん剤を載せたドローンを飛ばし、品質が変化していないかや、受け渡しの際、ドローンに搭載した顔認証システムによる本人確認などを行いました。

ドローンから抗がん剤を取り出す医師

午後3時前、医薬品を搭載した無人飛行のドローンは、時速およそ10キロで高度およそ40メートル付近をゆっくりと県立医科大学に向かって飛行し、およそ10分後、図書館棟の屋上に無事着陸し、待機していた医師が、ドローンに搭載されたカメラに顔を近づけて顔認証システムの認証を受けたあと、箱を空けて抗がん剤を受け取りました。

県立医大の上野地域医療支援センター長

県立医大・地域医療支援センターの上野雅巳(うえの・まさみ)センター長は「きょうの実験が上手くいき、今後に繋がったと喜んでいる。将来的には、医薬品だけでなく、採取した血液の運搬にも活用できると思う」と手応えを語りました。

NTTコミュニケーションズのドローンサービス部門長

NTTコミュニケーションズの柏大(かしわ・だい)ドローンサービス部門長は「きょうは合格。今後はドクターヘリとの運用調整や、人の手で担っている行程の自動化などをクリアしていきたい」と話しています。

ケーエスケーの平谷物流戦略部長

ケーエスケーの平谷洋(ひらたに・ひろし)物流戦略部長は「この先は遠距離での運搬や、人や人家、幹線道路などの上を飛行する際の安全性が一番の課題になる。3社で強固な関係を築きながら、ひとつひとつクリアしていきたい」と話していました。

今回の結果を踏まえ、今後は、人や民家などが多い地帯なども飛行する実験も行い、実用化に向けた検証をさらに進める方針です。

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