東京大学の卒業式がきょう（２４日）文京区にある東大本郷キャンパスの安田講堂で行われ、和歌山県立星林高校出身で教育学部総代の菅田利佳（すがた・りか）さん２２才が卒業生を代表して答辞を述べました。

全盲の菅田さんは付き添われて壇上に登り、藤井輝夫（ふじい・てるお）総長に答辞を述べました。この中で菅田さんは盲学校時代と違う高校に入って世の中が一変し、学問に関心を寄せたことに触れた上で「大学生活の多くをコロナの下で過ごし、困難や悲しみと向き合いました。日常の尊さを痛感した」と振り返りました。

答辞の結びに菅田さんは「あすから踏み出す新し世界で、聞こえにくい声にこそ耳を傾け、手を差し伸べる姿勢を大切に歩むことを誓います」と明るく決意を述べました。

卒業式では、新型コロナウイルス感染症対策のマスク着用は個人の判断にゆだねられ、卒業生の多くはマスクを外して式に参加しスーツやはかま姿のおよそ３０００人が、晴れやかな笑顔を見せていました。