鉄パイプ落下事故死事件 禁固2年求刑

2023年03月22日 19時56分

社会

和歌山市のビルの屋上に設けられた作業場から鉄パイプが落下して男性1人が死亡した事故で、業務上過失致死の罪で起訴された下請け業者の男に対する論告求刑公判がきょう(3/22)、和歌山地方裁判所で開かれ、検察側が、禁固2年を求刑しました。

起訴状などによりますと、和歌山市の建設会社「ヒロケン」の社長、本田博則(ほんだ・ひろのり)被告40歳は、和歌山市にある12階建てのビルで足場の解体工事を請け負いましたが、作業にあたり、鉄パイプを落下させないようにするための業務上の注意義務を怠り、4年前の2019年11月19日、長さ1・5メートル、重さ5キロ余りの鉄パイプ1本を落下させ、通勤のため通りかかった当時26歳の男性の頭に直撃させ死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われています。

きょうの論告で、検察側は、「鉄パイプの留め具を外すときには落下防止用のロープを取りつけて作業する注意義務があったにもかかわらず、これを怠った」と指摘した上で、「本田被告は、事故の4日前にも鉄パイプを落下させる事故を起こし、発注者らと再発防止策を決めていたにもかかわらず、安全対策を軽視し、手間を惜しんで作業効率を優先させた。過失の程度は極めて大きい」として禁固2年を求刑しました。

これに対し、弁護側は「落下防止ネットを適切に設置するなどしており、作業を再開した時点で、元請け業者から対策の修正を求められたこともなかった」として執行猶予付きの判決を求めました。

判決は、5月8日に言い渡されます。

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