岸本知事「今後は観光業の人手不足対策が大事」
2023年03月22日 18時56分
和歌山県の岸本周平(きしもと・しゅうへい)知事は、新型コロナウイルスが収束に向かい、県内を訪れる観光客が回復傾向にある一方で、今度は観光関連業の人材不足により十分な受け入れ態勢をとれない事に危機感を表し、今後、県として事業者の実態を把握し、対策を行う考えを示しました。
岸本知事は、けさ(22日)の定例記者会見で、事業者から聞いた話として「人手不足が深刻な状況で、回復傾向にあるインバウンドをはじめとする観光客を受け入れる際に、新型コロナ禍で縮小した受け入れ態勢を回復出来ないおそれがある」と述べたうえで「せっかく和歌山に来るお客を逃さないよう、今後どうやって受け入れていくかを考える方が案外大事ではないか」と指摘し、県として対策を進める上で実態の把握に努める方針を示しました。
ところで、白浜町(しらはまちょう)のホテルや旅館22施設が加盟する白浜温泉旅館協同組合によりますと、新型コロナ禍以前から、厨房やフロント回りのスタッフ不足が深刻で、客室を100%稼働できない施設も出ています。
さらに、町内に3社あるタクシー会社の運転手も不足し、夜間の営業が可能な営業車がわずか4~5台にとどまっていて、観光客対応だけでなく、地元住民の緊急時の移動手段の確保も厳しい状況に追い込まれています。
白浜温泉旅館協同組合では「求人を出しても条件面が合わないので、なかなか人が集まらない。観光業に限らないが、事業者の体力を強化しないとよい求人を提示出来ない。コロナ禍での国や県の助成は限定的なので、息の長い支援策を求めたい」と話しています。