和県警・県教委・LINE財団 SNSの情報発信教材開発 向陽中学校で公開授業

2023年03月18日 17時35分

教育社会

スマートフォンの普及とともに増えている、SNSでの個人情報の特定や流出などによる被害や加害を防ぐために、どのような注意が必要かを学ぶ教材を、和歌山県警察本部と県教育委員会、それに、LINEみらい財団の3者が共同で開発し、このほど、和歌山市太田(おおだ)の県立向陽(こうよう)中学校で、この教材を使った公開授業が行われました。

公開授業のもよう(3月17日・和歌山市太田・県立向陽中学校)

この教材は、コミュニケーションアプリ・LINEのCSR活動を引き継いだLINEみらい財団が、青少年のSNS犯罪被害を防ごうと、全国の自治体や教育機関などと連携して行っている取り組みで、和歌山県では、県警察本部のサイバー犯罪対策課と少年課、それに県教育委員会と共同で「SNSによる社会の発信を考えよう」と名付けたSNSでの発信での注意点や、被害・加害のトラブル回避を考える教材を開発したものです。

ネットで自分の写真を公開するリスクについて話し合う生徒ら

きのう(17日)県立向陽中学校の2年生36人が公開授業に臨み、SNSで自分の気に入ったカフェを写真入りで紹介する際、店の写真だけにするか、顔写真を載せるか、マスクありの顔写真にとどめるのか、3つの事例のリスクの高さを考えました。

生徒からは「顔写真は無防備で危ないかも。しかし店の写真だけでも、所在地から投稿者のテリトリーがバレるかもしれない」といった意見が出されました。

また、ネット雑誌の記者に取材された人が、その後、同じ記者から取材と称して水着写真の提供を要求された場合はどうするのかや、SNSで知り合った人に逆上され、顔写真をネットにばらまくと脅迫された場合はどう対処するのかなども話し合われました。

生徒は「相手を信用して出来る隙が怖いと思いました。また、部活内で撮ったチームメイトの身体の写真を軽いノリでアップしてしまうことで、自分が加害者になる可能性もわかりました」と話していました。

常葉大学教育学部の酒井郷平講師

教材の監修を務めた、常葉(とこは)大学教育学部の酒井郷平(さかい・きょうへい)講師は「SNSは個人のツールですが、トラブルまですべてひとりで抱え込まず、とくに中学生や高校生の場合は、両親や警察、教師など、身近な大人に相談し、解決方法を見いだすことや、心理的な負担を軽減することの両面でリスク回避に繋げてほしい」と話しています。

県教育委員会では、今後、県内の市町村の教育委員会を通じて、この教材を活用した情報モラル教育を展開することにしています。

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