少女虐待放置死事件、母親の再婚相手に懲役6年判決

2023年03月15日 18時53分

社会

和歌山市の集合住宅で同居していた少女を虐待し、医療措置を受けさせず、死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われた男の裁判員裁判の判決公判がきょう(3/15)、和歌山地方裁判所で開かれ、懲役8年の求刑に対し、懲役6年の判決が言い渡されました。

2023年3月15日・和歌山地方裁判所で

判決などによりますと、有田市の無職、木下匠(きのした・しょう)被告41歳は、2018年10月頃から和歌山市のアパートで同居していた鶴崎心桜(つるさき・こころ)さん当時16歳に対し、おととし(2021年)4月頃から鶴崎さんの母親とともに暴力を振るうなどして放置し、おととし6月に死亡させました。

きょうの判決で、和歌山地方裁判所の松井修(まつい・しゅう)裁判長は、「木下被告は、同居していた鶴崎さんが母親から暴力を受けるようになる中で、みずからも暴力を繰り返すようになっていて、鶴崎さんの死に一定の影響を与えている。鶴崎さんを保護すべき責任の程度は重かった」とした上で、「119番通報するなど、鶴崎さんを保護するための行動をしておらず、犯行は悪質」と指摘しました。

また、木下被告が、鶴崎さんの母親に隷属的に支配されていたという弁護側の主張については、「木下被告は、母親の暴力をとめるなど、鶴崎さんの母親の意に沿わない行動もしており、支配されるという状況にあったとは認められない」とした一方、「木下被告は、鶴崎さんの母親から熱したアイロンを背中に当てられるなどの暴行を長期間にわたって受けており、犯行当時、母親の指示に強く逆らえない面もあり、共犯関係では、従属的な立場にあった」と指摘しました。

その上で、松井裁判長は、「自分が鶴崎さんに暴行したことを自発的に認め、鶴崎さんを助けられなかったことを悔やみ、親族に対し、被害弁償の意向を示すなど、一定程度の反省がみられる」として、懲役8年の求刑に対し、懲役6年の実刑判決を言い渡しました。

木下被告は、時折、大きくうなづきながら裁判長が読み上げる判決文に聞き入っていました。

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