少女虐待放置死事件、母親の再婚相手に懲役8年求刑
2023年03月09日 17時50分
和歌山市の集合住宅で同居していた少女を虐待し、医療措置を受けさせず、死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われた男の裁判員裁判の論告求刑公判がきょう(3/9)、和歌山地方裁判所で開かれ、検察側は懲役8年を求刑しました。
起訴状などによりますと、有田市の無職木下匠(きのした・しょう)被告41歳は、おととし(2021年)6月和歌山市のアパートで、鶴崎心桜(つるさき・こころ)さん当時16歳を、鶴崎さんの母親とともに暴力を振るうなどして放置し死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
この裁判では、木下被告は罪を認めていて、量刑が争点となっています。
きょうの公判で、検察側は、「鶴崎さんと同居し居ていた木下被告は、
鶴崎さんの母親が、娘の歯をペンチで抜いたり体を刃物で切りつけたりして
虐待しているのを知りながら、自身もひじで殴るなどしていた。
遺体を解剖した医師は、木下被告の暴力が鶴崎さんの衰弱に寄与していたことを
公判で証言した」とした上で、「木下被告は、鶴崎さんが呼びかけに応じられないほど衰弱していたことを知りながら、119番通報などの電話一本することなく被害者を見捨てて死亡させた。犯行は悪質で責任は相当に重い」と指摘し、懲役8年を求刑しました。
これに対し、弁護側は「木下被告は、鶴﨑さんの母親から暴力を受けるなどして、精神的に支配されていて、その関係は隷属的だった。病院に連れて行くことを何度も提案したが、とめられ続け、母親の了解なく病院に電話をするのは容易ではなかった。一人の死を見過ごしてしまった責任は許されないが、木下被告は真摯に反省している」などとして懲役4年が相当と主張しました。判決は、今月(3月)15日の午後3時から言い渡されます。