加太淡島神社の「ひな流し」今年も渡御なく小舟が船出

2023年03月03日 20時14分

イベント歴史・文化社会

人形供養で知られる和歌山市の加太淡島神社できょう(3/3)、桃の節句の風物詩「ひな流し」が行われ、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため4年連続で中止となった渡御行列に代わって軽トラックで運ばれた白木の小舟が、子どもの歌にあわせて加太の海に船出しました。

きょう正午から行われた「ひな流し」の神事では、加太淡島神社の前田智子(まえだ・ともこ)宮司が祝詞を上げ、女の子の幸せや成長とともに、今年も新型コロナウイルスの感染拡大防止を祈願しました。

このあと、およそ5千体のひな人形が飾られた加太淡島神社の本殿から宮司のお祓いを受けたおよそ300体のひな人形が、2艘の白木の小舟に乗せられ運び出されました。

新型コロナウイルスの感染が確認されるまでは、例年、女性の参拝客が、ひな人形をのせた小舟を担いで、本殿からおよそ600メートル先の海辺まで練り歩いていましたが、今年もこの「雛舟の渡御」は中止され、4年連続で、軽トラックに積んで運ばれました。

小舟を流す直前には、前田宮司が祝詞をあげ、巫女が紙吹雪を撒く中、和歌山市のあわ保育園の年長の女の子14人が「うれしいひなまつり」を合唱し、春の海に繰り出す2艘の白木の舟を見送りました。

初めて訪れたという和歌山市の会社員、三好菜央(みよし・なお)さん31歳は、「お雛さまが流れていくところと、子どもたちの歌がすごくすてきでした。もっとこじんまりしているのかと思っていましたが、カメラを構えた人がたくさんいて驚きました。来年には、元通りになってくれるといいなと思います」と話していました。

加太淡島神社の前田宮司は、「今年も女性に小舟を担いでもらうことはできず、一日でも早くコロナがおさまるよう祝詞をあげました。これから、マスクを外せるようにもなるので、来年こそ、雛の渡御を復活させたい」と話しました。

加太淡島神社に寄せられたおよそ5千体のひな人形は、今月26日まで本殿に飾られています。

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