少女虐待放置死事件、母親の再婚相手起訴内容認める

2023年02月27日 21時10分

社会

和歌山市のアパートで同居していた少女を虐待し、医療措置を受けさせず、死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われた男の裁判員裁判の初公判がきょう(2/27)、和歌山地方裁判所で開かれ、男は起訴内容を認めました。

裁判員裁判の初公判が開かれた和歌山地方裁判所101号法廷(2023年2月27日・代表撮影)

起訴状などによりますと、有田市の無職、木下匠(きのした・しょう)被告41歳は、おととし(2021年)6月、和歌山市のアパートで、鶴崎心桜(つるさき・こころ)さん当時16歳を、鶴崎さんの母親とともに暴力を振るうなどした上で放置して死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われています。

きょうの初公判で、木下被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

冒頭陳述で、検察側は「木下被告は、2018年10月頃から鶴崎さんと同居し、鶴崎さんの母親が、娘の歯をペンチで抜いたり、体を刃物で切りつけたりして虐待しているのを知りながら、自身もひじで殴るなどしていた。鶴崎さんが呼びかけに応じられないほど衰弱していたことを知りながら、保護する立場にいた木下被告は、119番通報することもなかった」と指摘しました。

これに対し、弁護側は「木下被告は、鶴﨑さんの母親から暴力を受けるなどして、精神的に支配されていた。病院に連れて行くことを何度も提案したが、虐待の発覚をおそれた母親にとめられ続けた」と強調し、量刑上の配慮を求めました。

この事件を巡っては、鶴崎さんの母親が、鶴崎さんが死亡した日の夕方、もう一人の幼い娘を抱いて関西空港連絡橋から海に飛び込んで死亡し、鶴崎さんに対する保護責任者遺棄致死と、道連れにした娘に対する殺人の容疑で書類送検されましたが、いずれも不起訴となっています。

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