梧陵語り部ジュニアに認定 広川町の16人の小学生

2023年02月17日 19時47分

イベント教育災害・防災社会

江戸時代末期の安政の南海地震で、紀州広村、現在の広川町が津波に襲われた際、稲わらに火をつけ村人を高台に誘導したとされる偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)について、地元の語り部グループから学んだ小学生が、このほど(1/21)、その成果を発表し、梧陵語り部ジュニアに認定されました。

梧陵語り部ジュニアに認定された子どもたち

この取り組みは、濱口梧陵の生誕200年の記念の年、2020年を前にした2018年度から、和歌山県の広川町教育委員会が、次の世代を担う子どもたちに梧陵の功績を伝えていこうと主催しているもので、梧陵語り部ジュニアクラブを立ち上げた広川町の語り部サークルのメンバーが子どもたちの指導にあたってきました。

発表会の様子(2023年1月21日・広川町民会館で)

広川町の公民館で開かれた学習発表会では、語り部ジュニアの講座に参加した地元の広小学校の5年生と6年生のあわせて16人のうち、12人が出席し、去年6月から学んできた「稲むらの火」や、梧陵が私財を投じて作った広村堤防、勝海舟や福沢諭吉らの偉人と梧陵との交友関係や、江戸時代に流行した感染症のコレラに対し、専門医を育てた梧陵の功績などを発表しました。

今年の学習会では、初めて英語による授業も行われ、発表会当日、2組が英語による発表に挑戦しました。

発表会の後、ジュニア語り部の認定証授与式が行われ、小学5年生には、初級の認定証が、小学6年生には、認定証がそれぞれ授与されました。

認定証授与のあと、発表について講評した、梧陵語り部ジュニアクラブ担任の佐々木博子(ささき・ひろこ)さんは、「これまで勉強してきたことを、家族や友だちに少しでも広めてもらえればうれしいし、大人になって広川町を離れても広川町には、濱口梧陵というすごい人がいたことや、いつ地震が起きるかわからないことを伝えてほしい」と呼びかけました。

講評する佐々木さん

参加した児童は、「英語を習っているので、英語で発表した。覚えるのが難しかったけど、楽しかった」「梧陵さんは、自分だけでなく、村人のことも考えていて、すごいと思った。梧陵さんに会って、『広村を助けてくれてありがとう』と伝えたい」「梧陵さんは、人々の救世主だと思った。誇り高いし、これからは、弟に教えたりして、地震が来たらすぐ逃げるよう行動に移していきたい」「もっと詳しく調べて、いろんな人に教えてあげたい」などと話していました。

梧陵語り部ジュニアクラブを運営する「広川町日本遺産のガイドの会」会長の熊野亨(くまの・とおる)さんは、「子どもたちが達成感を味わえるよう取り組めたと思うし、子ども同士が切磋琢磨していてよかった。今年は、初めて英語に取り組みましたが、来年度は、さらにチャレンジしてほしい。語り部になってほしいわけではないが、どこへ行っても、郷土の誇りとして語れるよう梧陵さんを深く知ってもらいたい」と話していました。

挨拶する熊野さん

小学生の梧陵語り部を育成するこの取り組みは、来年度も予定されています。

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