加太淡嶋神社で「針祭」 針塚に4万本供養

2023年02月08日 20時34分

イベント社会

折れたり曲がったりして役目を終えた裁縫用の針を供養する「針祭(はりまつり)」がきょう(2/8)、和歌山県和歌山市加太の「加太淡嶋(かだあわしま)神社」で行われ、およそ4万本の針が針塚に納められました。

針塚の前で(2023年2月8日・加太淡島神社で)

「針祭」は、使い古した針に感謝し、裁縫の上達を祈願する神事で、裁縫の技術を伝えたとされる少彦名命(すくなひこなのみこと)をまつる加太淡嶋神社で、毎年、旧暦の仕事始めにあたる2月8日に行われています。

きょう午前11時から行われた「針祭」では、前田智子(まえだ・ともこ)宮司が本殿で祝詞をあげた後、3人の巫女が、全国から寄せられた縫い針やまち針など4万本の一部を、本殿脇の針塚まで運び、菜箸を使って針塚に納め、針の労をねぎらいました。

針を三宝の上に載せる巫女

去年、おととしに続いて疫病退散を踏まえて祝詞をあげた加太淡島神社の前田宮司は、「一時は、マスクを手作りする人が増えたものの、手芸をする人が減ってきているからか、去年、奉納された針の数は、前の年より1万本少ない4万本。手芸上達の祝詞を挙げる立場なので、私も針仕事を見直して取り組みたい」と話していました。

今年は、2年ぶりに和歌山県和裁協会の会員が和服姿で参列し、参拝客やアマチュアカメラマンとともに、神事の様子を見守りました。

俳句に取り組んでいるという紀美野町から訪れた手拝裕任(てはい・ひろたか)さん71歳は、「一句作れたら、と思ってやってきました。針を三宝に盛り上げている状況や、頭の部分がきれいな待ち針など、おもしろい素材がありました。来てよかったです」と話していました。

加太淡島神社では、来月(3月)3日、ひな人形を白木の舟に載せて海へ送る「ひな流し」の神事を、3年連続で規模を縮小して実施する予定です。

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