海南市贈収賄事件 業者に有罪判決 元職員に懲役2年求刑
2023年02月07日 19時59分
海南市発注の設計業務を巡る贈収賄事件で、和歌山地方裁判所はきょう(2/7)、贈賄側の業者に、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。また、収賄側の元海南市職員に対しては、別の公判で、検察側が、懲役2年と追徴金を求刑しました。
判決を受けたのは、和歌山市の建築設計会社の前社長、木田吉宣(きだ・よしのぶ)被告49歳です。
判決によりますと、木田被告は、海南市が発注する市所有の建物の設計業務などの業者選定で、有利な取り計らいを受けたことの謝礼として、元市職員の木下知海(きのした・ともうみ)被告47歳に対し、小中学校のトイレ改修工事の設計業務を下請けさせるなどして、2018年から19年にかけて、あわせておよそ400万円の賄賂を、下請け報酬として贈っていました。
きょうの判決で、松井修(まつい・しゅう)裁判長は「この事件は、2人が、数年にわたって常習的に同じ枠組みの贈収賄を繰り返す中での犯行で、公共工事に係る公務の公正とこれに対する信頼を害した程度は大きい」と指摘し、懲役1年6ヶ月の求刑に対し、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
一方、きょう開かれた別の公判では、元・海南市職員で、2009年から都市整備課建築係で勤務していた木下被告に対する論告が行われ、検察側は、木下被告が、海南市発注の設計業務を、木田被告の会社に受注させて自身がその下請けとして設計業務を行い、請負代金を得るというスキームを自ら構築し、2012年頃から2021年7月の間にこのスキームを実行し、起訴された分だけで396万円あまりにのぼると指摘しました。
また、検察側は、木下被告が、すでに贈賄の罪で有罪判決を受けた電気工事業者からも18万5千円の現金を受け取っていたと指摘し、木下被告に対し、懲役2年を求刑しました。
木下被告に対する判決は、来月(3月)16日に言い渡されます。