和県万引き防止対策協議会 和市で研修会開催

2023年02月03日 11時58分

社会

官民一体となって、万引き防止の総合的な対策を推進しようと設立された和歌山県万引き防止対策協議会の研修会がきのう(2/2)、和歌山県和歌山市で開かれ、県内での万引きの現状報告などが行われました。

研修会の様子(2023年2月2日・県自治会館2階会議室)

和歌山市の県自治会館で開かれた研修会には、協議会に加盟している書店の組合や商業施設、スーパーマーケットやドラッグストアなどの事業所をはじめ、防犯団体や警察などからおよそ20人が出席しました。

研修会では、はじめに協議会の会長を務める県書店商業組合の大谷秀生(おおたに・ひでお)理事長が挨拶し、「万引き防止対策は、店舗内の被害防止のみを目的とするのではなく、万引きを許さないという機運を高めることが、社会全体の規範意識の向上となり、安全で安心な和歌山の実現に貢献することになると思う。この講演を防止対策に役立ててください」と述べました。

挨拶する大谷会長

この後、県内で認知された万引きの現状について、県警生活安全企画課・犯罪抑止総合対策室の川端宏季(かわばた・ひろき)室長が報告し、「協議会設立当時の13年前と比べると、多く見られた少年の万引きは減り、65歳以上の高齢者による万引きが、年代別でも最も多くなっていて、万引き犯全体の41%を占める」と分析しました。その上で、対策として、万引きした高齢者で、検察庁に送致するに至らなかった際には、万引きの理由を聞き取り、孤立や困窮が要因の場合、地域包括支援センターを紹介したり、その後、自宅に立ち寄り指導を行うケースがあることを紹介しました。

県内での万引きの現状を報告する川端室長

さらに研修会では、和歌山大学システム工学部・講師の川角典弘(かわすみ・のりひろ)さんが「デジタルメディアによる店舗空間の検証・評価」と題して講演しました。

講演する川角さん

この中で、川角(かわすみ)さんは、「万引きされにくい店舗づくりをする上で、実際に棚や通路のレイアウトを変えるのは難しい。そうしたときに、デジタルメディアを活用することで、店舗空間をCGで再現して、棚の高さを自在に変更するなど、店舗内の見え方や感じ方を検証でき、コストを低く抑えられる」とデジタルメディア活用の利便性を強調しました。その一方で、川角さんは、「この手法には、CGを動かす中で、ズレが生じるなどの課題もある」と述べ、今後、さらに研究を深める考えを示しました。

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