喫煙・高血圧・過剰飲酒で 平均寿命短く 県立医大研究

2023年01月18日 19時24分

社会福祉・医療

喫煙や過剰な飲酒が平均寿命に及ぼす影響を全国2700万人のデータを使って都道府県ごとに検討した結果、現在喫煙している人の割合が多い都道府県ほど、平均寿命が短く、がんによる死亡率の高いことがわかりました。

藤吉朗教授らがまとめたスライドの表紙

これは、和歌山県立医科大学医学部衛生学講座の藤吉朗(ふじよし・あきら)教授のグループがまとめたもので、藤吉教授がきょう発表しました。

和歌山県民の平均寿命は、2020年の厚生労働省の調査で男性が81・03歳、女性が87・36歳で、いずれも全国47都道府県のうち、30位台後半となっています。

会見で、藤吉教授は、今回の研究目的について、「なぜ和歌山県の平均寿命がよくないのか、その理由を知りたかった」と説明しました。

今回の研究では、2015年に特定検診を受けた40歳から74歳までの全国2700万人のデータが使用されていて、これまで行われてきた、対象者1万人程度の同じような研究よりはるかに大規模なものとなっています。

そして、この研究では、都道府県単位の喫煙率と、平均寿命、がんによる死亡率などとの関連や、高血圧や過剰な飲酒と、平均寿命などとの関連について検討されました。

その結果、都道府県の喫煙率は、平均寿命や、がんによる死亡率などと相関関係にあり、現在喫煙している人の割合が多い都道府県ほど平均寿命が短く、がんによる死亡率の高いことがわかったほか、女性では、肺がんや乳がんの死亡率との関りがあることもわかりました。

また、喫煙率は、高血圧と過剰な飲酒とは関係なく平均寿命と関連することや、都道府県の平均寿命の格差のうち、男性では45%、女性では31%が喫煙率、高血圧、過剰飲酒の3つの要因で説明できることがわかりました。

藤吉教授は、今回の研究結果を受けて、「平均寿命を延ばすためにも、喫煙対策をはじめ、高血圧や過剰飲酒への対策が必要だ」と強調しています。

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