路線バスの乗り方教室 和歌山盲学校で初開催
2023年01月17日 21時12分
和歌山市の県立和歌山盲学校できょう(1/17)、路線バスの乗り方教室が初めて開かれ、目の不自由な児童と生徒が、学校の玄関前に停まったバスに乗り込み、バス停で降りるための降車ボタンの押し方などを学びました。
県立和歌山盲学校には、目が見えなかったり、見えにくい児童や生徒が在籍していて、公共交通機関のバスに乗車体験することで、子どもたちの生活の幅を広げようと、盲学校が、和歌山バスに依頼して初めて実施したものです。
きょう午前、和歌山市府中(ふちゅう)にある和歌山盲学校の玄関前には、普段、和歌山市内を走っている路線バスが登場し、はじめに小学部の児童が、和歌山バスの職員から、バス停でバスが来たら、完全に止まるまで待って乗り込むことなどの注意点を教室で聞いた後、実際にバスに乗り込みました。
子どもたちは、バスの車内で流れる次のバス停のアナウンスを聞いて、降りたいバス停の前に降車ボタンを押して運転手に知らせることなどを教わりました。
また、バスの乗車口に設けられている車体に内蔵されたマイクを使って車内の運転手とやりとりできることなどの説明があり、子どもたちは、「このバスはどこへ行きますか?」などと質問していました。
路線バスには、盲学校の小学部のほか、幼稚部から高等部までおよそ20人の児童・生徒が乗り込み、運転席にも座って記念写真に納まっていました。
中学部1年の平川凛歩(ひらかわ・りあ)さんは、「バスが好きで、ママと一緒に和歌山バスにも乗ったことがあります。きょうは『つぎ停まります』のボタンを押せて楽しかった。また乗ってみたい」と話し、参観に訪れていた平川さんの母、彩夏(あやか)さんは、「バスがとても好きなので、バスの乗って出かけることがあるのですが、乗り降りするのに時間がかかるので、『早く早く』と急かしてしまいます。目が見えない本人としては、確かめながら乗りたいだろうと思っていたので、きょうは、バスの中をじっくり触らせてもらえてよかったです」と話していました。
和歌山バスの詫間敏継(たくま・としつぐ)さんは、「バスから降りる際、ドアの手すりが動くので、怖がって降りられない子がいることを初めて知りました。運転手を指導する立場なので、目の見えない子が、どのように不自由を感じるのか、どこをサポートすべきか、これからの指導に活かしたい」と話していました。