コンビニ店員と銀行員に感謝状 犯罪被害未然防止で

2022年12月21日 22時21分

社会

和歌山西警察署はきのう(12/20)、詐欺などの犯罪被害の防止に一役買ったとして、和歌山市のコンビニエンスストアの店員と銀行員に対し、感謝状を贈りました。

和歌山西警察署・署長室で(2022年12月20日)

感謝状を受けたのは、和歌山市のローソン和歌山新堀東二丁目店のアルバイト店員、山路楓(やまじ・かえで)さん18歳と、和歌山市の紀陽銀行本店営業部に勤務する岡室春奈(おかむろ・はるな)さん43歳と清本優菜(きよもと・ゆうな)さん24歳の3人です。

3人はきのう、和歌山西警察署の署長室で川上和彦(かわかみ・かずひこ)署長から感謝状を受け取りました。

山路さんは、先月(11月)17日に店を訪れた80歳代の女性が、スマートフォンを差し出して「インターネットサイトのくじ引きで10万円分のクオカードが当選したので、商品をもらうため、個人情報を登録しなければならない。やり方を教えてほしい」と話しかけてきたため、何らかの犯罪に巻き込まれる可能性があると考え、登録するのをやめさせました。

(左から)今井課長、オーナーの小川太さん、山路さん、川上署長

店長を務める母親も詐欺防止で表彰を受けたことがあるという山路さんは、「1週間に1回程度、ミーティングでオーナーから詐欺に関する対策を学んでいるので、その甲斐があったと思います。聞いていた特殊詐欺の事例とは違いましたが、ミーティングのおかげで、詐欺ではないかと疑問を持つことができました。これからも詐欺に遭いそうな人がお店に来たら、丁寧に対応して未然に防ぎたい」と話しました。

また、紀陽銀行本店で窓口業務をしていた清本さんは、先月(11月)22日、50万円の出金を申し出た70歳代の女性客に対応した際、女性が、SNSで知り合って1年以上やりとりをしているイエメン在住の男性から、日本に帰るための飛行機代を求められたと話したため、上司の岡室さんに相談し、2人で女性の携帯電話などを調べたところ、男性とのやりとりが英語にもかかわらず、振込先が日本人名義だったことから不審に思い、50万円の振り込みをとどまらせました。

(左から)今井課長、清本さん、岡室さん、川上署長

感謝状を受け取った清本さんは「普段から、おかしいなと思うケースは、お客様から話を聞いて対応していますが、今後も、窓口に来たお客様が被害に遭わないよう日頃から意識して取り組んでいきたい」と話し、岡室さんは「未然に防ぐことができてよかったです。何かちょっとでも気にかかることがあったら、いったん止まって考え、対応することが大切だと実感しました」と話していました。

和歌山西警察署・生活安全課の今井堅二(いまい・けんじ)課長は、「今回のケースは、警察からコンビニと銀行にお願いしている特殊詐欺の未然防止より、一歩手前の段階にある犯罪で、対応した人たちが、犯罪ではないかと察知し、警察に通報していただけたのは非常にありがたい。警察だけでなく、いろんな人の力があって、初めて犯罪を未然に防げるので、それに向けて一歩進んだ形になった」と述べ、高く評価しました。

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