目の不自由なこども 和歌山市でヨット体験
2022年10月17日 17時09分
盲学校に通学する、視力の弱い、弱視の子どもたちが、このほど(10/14)、和歌山市の海でハンザクラスと呼ばれる小型ヨットの操縦に挑戦しました。
これは、和歌山市の和歌山マリーナシティ周辺の海で固定開催されているインターハイのヨット競技など、海洋スポーツの普及・発展をはかろうと、和歌山県教育委員会が、7年前から県内の小中学校や特別支援学校の児童・生徒を対象に行っているもので、今年も多くの小中学生が応募し、選ばれた12校のおよそ250人が、6月から順次、イベントに参加しています。
今月14日には、県立和歌山盲学校小学部の児童3人が参加し、和歌山セーリングクラブのメンバーから小型ヨットの乗り方などを教わった後、セーリングクラブのメンバーと一緒に海に出て感覚をつかみ、その後、盲学校の教職員とともにヨットに乗り込み、児童が舵を切って進行方向を決め、海の上を走行していました。
一緒にヨットに乗り込んだ小学部5年の白樫栄人(しらかし・えいと)さんと、教諭の長井恵李(ながい・えり)さんは、「初めてだったけど、乗ってみて楽しかった。波が来る中、自分で進む方向を変えながら外海まで行きました。また是非乗りたい」と白樫さんが話し、長井さんは、「子どもより楽しんでしまいました。目が見えにくい児童は、自転車に乗るのも危険を伴うため、自分で乗り物を操縦した経験に乏しいのですが、今回は、全身で風を感じて操縦していたので、貴重な経験になったと思います」と話していました。
県立和歌山盲学校の安達青児(あだち・せいじ)教諭は、「目以外の感覚も使ってもらいたいので、きょうは、海の臭いや遠くの山、船の揺れが怖いという感覚も話していたので、非常に良い経験になったと思います。視覚が8割といわれる中で、視覚以外の機能を活用するのは、子どもたちにとっては貴重な経験で、ほかのことにも活かしていきたい」と話しました。
県は、子どもたちがヨットを体験するこのイベントについて、来年以降も継続することを検討しています。