華岡青洲の読み聞かせ 紀の川市の小学校で

2022年10月06日 18時38分

教育歴史・文化社会

世界で初めて全身麻酔による乳がん手術に成功した郷土の偉人、華岡青洲(はなおか・せいしゅう)の地元・紀の川市の小学校できょう(10/6)、先月(9月)発足した地元のグループによる青洲の絵本の読み聞かせが行われました。

絵本の読み聞かせを行う医聖・華岡青洲サポートクラブのメンバー

読み聞かせを行ったのは、かつて出版された絵本「はなおかせいしゅう」の制作スタッフや、今年(2022年)3月に行われた華岡青洲の学習会に参加した地元のメンバーで作る「医聖・華岡青洲サポートクラブ」です。

先月、発足した後、初めてとなった読み聞かせは、きょう午前、紀の川市江川中(えかわなか)の上名手(かみなて)小学校で、低学年と高学年の2つのグループに分かれて行われ、それぞれ7人のメンバーが、13年前に出版された絵本をリレー形式で読み継ぎました。

この中で、華岡青洲が幼い頃に財布を拾った後、持ち主が探しに戻って来るまで、夜になっても待ち続け、遅くに帰宅した青洲から事情を聞いた父親が、大いに褒めたエピソードや、麻酔薬の通仙散(つうせんさん)を完成させるため、青洲の妻と母親が人体実験に協力したこと、青洲の名が知れ渡り、紀州徳川家専属の医師になるよう勧められたときもそれを断り、一般庶民の診療を続けたことなどが紹介されました。

読み聞かせは図書室で行われた

読み聞かせの後、「医聖・華岡青洲サポートクラブ」の谷脇誠(たにわき・まこと)さんが、青洲が行ったことと、その結果について、あらためて児童に問いかけ、「よいことをすると、よいことがある。青洲のように、自分にできることをがんばろう」と呼びかけました。

青洲の行いについて児童に考えるよう促す谷脇さん(右)

読み聞かせを聞いた上名手小学校5年の脇田莉玖(わきた・りく)さん10歳と、6年の黒田陸翔(くろだ・りくと)さん12歳は、「自分たちの校区に、世界で初めての人がいて、尊敬する気持ちが強くなった」「地元にこんな素晴らしい人がいて、上名手に生まれてよかった。拾った財布の持ち主を待ってあげたことなど、すごいと思う」と話し、今後については、「大学進学などで、他府県に行った時には、青洲先生のすごさを伝えたい」「他の小学校と交流するときに、自分から積極的に伝えたい」と話していました。

黒田さん(左)と脇田さん

また、上名手小学校の宮本義友(みやもと・よしとも)校長は、「上名手小学校の先輩である青洲先生のことを見習って、他人に対し、すすんで良いことを行える子どもに育ってほしい。今後も、青洲先生について学習していきたい」と話していました。

授業を進行する宮本校長

「医聖・華岡青洲サポートクラブ」では、今後も紀の川市内の小学校などで読み聞かせを続けていくことにしています。

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