和歌山県社会福祉功労者表彰式
2022年10月03日 18時38分
社会福祉の推進に寄与し、功労のあった和歌山県内の個人や団体を表彰する和歌山県社会福祉功労者表彰式が、きょう(10/3)、県民文化会館・小ホールで開かれました。
これは、和歌山県と県社会福祉協議会が毎年行っているもので、今年度(2022年度)は、県知事感謝状贈呈の対象が34人と3つの団体、県社会福祉協議会会長表彰の対象が108人と5つの団体となっています。
きょう午後1時半から開かれた表彰式では、県知事感謝状の贈呈対象者を代表して、20年以上にわたって民生委員を務めている白浜町の田井多づ子(たい・たづこ)さんが、仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事から感謝状を受け取りました。
また、県社会福祉協議会会長表彰の受賞者を代表して済生会和歌山病院の副院長で、38年にわたって看護師を務めている廣瀬朱実(ひろせ・あけみ)さんが県社会福祉協議会会長の仁坂知事から表彰状を受け取りました。
この後、仁坂知事が挨拶し、「県社協では、コロナ禍で生活に影響を受けた人たちに、生活資金に関する相談支援や特例貸付を実施してきたが、さまざまな生活課題を抱える人を必要な支援に結びつけるためには、身近な地域の助け合いが必要不可欠」とした上で、「県としては、地域住民が世代や分野を超えて互いにさあえ合う地域共生社会の実現に向け、市町村や社会福祉協議会をはじめとする関係団体と連携し、課題を抱える人たちのための支援体制を構築していく。皆さんには、地域福祉の推進に、より一層の理解と協力を賜るようお願いしたい」と述べました。
また、受賞者を代表して挨拶した養護老人ホーム「ときわ寮」の施設長を務める美浜町の西川富雄(にしかわ・とみお)さんは、「今回の受賞は、職場の人たちをはじめ、多くの人たちのご指導、ご支援の賜物と心より感謝しています。支えていただいた皆様の期待に応えられるよう、今後もより一層の努力を重ねることを誓います」と決意を語りました。
ところで、県社会福祉協議会会長表彰を受賞した橋本市障害児者父母の会・副会長の山本紀子(やまもと・のりこ)さんは、25年以上にわたって障害児者父母の会の活動を行ってきました。
山本さんは「地道な活動なので、いろいろな人が見ていてくれていたことが、励みになります。県内では、市町村によって、障害者父母の会の活動が途絶えているところもあり、福祉の事業所とうまくいかなかった場合に、当事者の親同士の連携が必要なので、つながりを広めたい」と話しました。
また、山本さんには、重い知的障害を伴うアンジェルマン症候群という難病を抱える28歳の息子がいて、奈良市の知的障害者入所施設に入っています。
山本さんは、「障害の軽い人は、グループホームなど、入れる施設がたくさんありますが、重い障害を抱えた人は、なかなか入れる施設がなく、和歌山で生まれたけど、和歌山で暮らせないという現状があります。親としては、障害がどんなに重くても、親の目が行き届くところで過ごさせたいという気持ちがあり、それこそ、安心して親が死ねる体制を作れるようもっと働きかけていきたい」と話しました。
橋本市障害児者父母の会では、来月(11月)、橋本市で「親なきあと相談室」を主宰する東京都在住の渡部伸(わたなべ・しん)さんを招いた講演会を開く予定です。