紀伊半島豪雨から学んで、現地調査員、解説本出版

2022年09月24日 15時12分

災害・防災

2011年9月に和歌山、三重、奈良の3県で88人の犠牲者を出した紀伊半島豪雨で、現地調査団の一員として活動した和歌山大学客員教授の後誠介(うしろ・せいすけ)さんが、このほど、「過去の災害がなぜ起きたかを考えることで初めて次に生かせる」と、研究の成果をまとめた「紀伊半島大荒れ」を出版しました。

本はA5判120ページ、1430円で、後さんの専門の地質学の面から紀伊半島の大地の成り立ちや過去の豪雨災害などの歴史を説明しています。

紀伊半島豪雨の被災者への聞き取りや現地調査の結果などを分析し、大地の成り立ちの違いによって起こる災害の規模や種類が違うことを一般の人にも分かりやすく解説しています。

紀伊半島豪雨で特に死者の多かった那智勝浦町で生まれ育った後さんは、豪雨の直後から、地盤工学会などでつくる合同調査団の一員として大規模な土砂災害が起きた現地に入り、研究を続けてきました。

豪雨当時、自治体が住民に対し適切な避難指示を出せなかった教訓から「特に自治体職員や学校の先生などに専門性を高める一助として本を活用してほしい」と訴え、「自分が住む地域のリスクを考えるきっかけにしてくれれば」と期待しています。

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