「生活保護利用者の車の日常使用を求める会」結成

2022年09月09日 14時58分

社会福祉・医療

自動車を所有していることを理由に、生活保護の申請を断念せざるを得ない状況を改善することを行政に求める市民グループ「生活保護利用者の車の日常使用を求める会」が結成され、和歌山市三沢町(みさわちょう)の中央コミュニティーセンターで、きょう(9日)学習懇談会が開かれました。

きょうの学習懇談会のもよう(9月9日・和歌山市中央コミュニティーセンター)

この会は、和歌山県民主医療機関連合会や、和歌山市社会保障推進協議会などが中心となって結成されたものです。

生活保護の申請をめぐって、自動車やバイクを所有する人については、事故を起こした際、損害賠償が出来ない事などを理由に、所有だけでなく、レンタカーなどを借りて運転することなども認められておらず、泣く泣く売却するケースが相次ぎ、通勤・通学・通院などの移動手段として車やバイクが必需品となっている地方を中心に問題となっています。

会では、生活保護者も車やバイクを所有出来るよう国に強く求める活動を和歌山でも拡げようと、2度の相談会を経て、きょう、結成に至ったものです。

オンラインで講演する「北海道生活と健康を守る会連合会」の細川久美子副会長

きょうの学習懇談会では「北海道生活と健康を守る会連合会」の細川久美子(ほそかわ・くみこ)副会長がオンラインで講演し、札幌市に対し、体に障害のある生活保護者の自動車使用を認めるよう要望してきた経緯を紹介したうえで「認めさせるためには、使用しなければならない実態をきちんと書いた要望書を提出し、必要な場合は医師の診断書を書いてもらうことで、実態をしっかりと行政に示すことが重要です」と強調しました。

あわせて県内での事例報告も行われ、義足で移動に車の使用が必要な生活保護者が、行政側から運転を禁止されたり、中には職員に「走行距離を見せろ」などと怒鳴られたりするケースもあったことが紹介されました。

このあと、今後の会の活動方針について協議が行われ、和歌山市の和歌山民医連を拠点に、国や地方行政に生活保護利用者が日常的に車を利用できるよう求めると共に、機関誌の発行や、学習会・宣伝活動を展開することなどを確認しました。

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