「天狗の建てた寺」興国寺 由良町で学習会開催
2022年09月07日 18時39分
禅宗の名刹、由良町の興国寺(こうこくじ)について学ぶ学習会がこのほど(8/27)、由良町で開かれ、「天狗の建てた寺」と呼ばれる所以などが語られました。
この学習会は、年金者組合日高支部由良地区が主催したもので、事務局の小田憲(おだ・あきら)さんは、「NHK大河ドラマで登場する源実朝(みなもとのさねとも)ゆかりの興国寺ですが、私自身も知らないことがあり、是非、この講演会で学んでいただきたい」と話しました。
講演では、由良町文化財保護審議会委員長で語り部の川端邦男(かわばた・くにお)さんが、火災で焼失した伽藍を一夜にして天狗が建て直したという伝説から興国寺が「天狗の建てた寺」と呼ばれていることを指摘し、寺には、高さ2・4メートル、幅2・7メートルの巨大な天狗の面が祀られていることを紹介しました。
また、講演で、川端さんは、現在、放送中のNHKの大河ドラマに登場する鎌倉幕府の三代将軍、源実朝(みなもとのさねとも)が暗殺された後、実朝に仕えていた葛山景倫(かつらやま・かげとも)が、高野山に出家し、その後、由良の荘園の地頭に任じられ、実朝の菩提を弔うため、興国寺の前身となる西方寺(さいほうじ)を建立したと説明しました。
また、川端さんは、興国寺で行われる火祭りなどの祭礼を動画で示しなら、「祭りに必要な、たいまつの担ぎ手や、幼いこどもらを地域で確保するのが難しく、祭り自体がコロナ禍で中止となる中、地域の活性化を図るためにも、文化の継承は欠かせない」として「祭りやその現状について、広く知ってもらう必要がある」と強調しました。
講演会には、由良町の山名実(やまな・みのる)町長も参加し、「由良町に住んでいても知らないことは多いので、きょうの講演にワクワクしています」と挨拶した後、1時間半にわたって行われた講演を聴講していました。