デジタル化推進シンポジウム
2022年09月05日 14時55分
和歌山県内の企業や自治体で今後進んでいくデジタル化について、専門家の講演やパネルディスカッションを通じて考える「デジタル化推進シンポジウム」が、きょう(5日)和歌山市のダイワロイネットホテル和歌山で開かれました。
これは、和歌山県やデジタル化を推進する県内企業などが主催したもので、県内企業関係者ら200人と、オンライン配信を視聴する人らが参加しました。
この中で、紀の川市桃山町(ももやまちょう)出身で日本IBMの山口明夫(やまぐち・あきお)社長が「加速するデジタル変革に企業はどう取り組むのか」と題して基調講演し「企業経営者の中に、まだITは難しいもの、特定の専門企業だけのものというアレルギーがある」と指摘しました。また、海外の企業経営者が日本企業との事業展開に極めて後ろ向きな理由として「企業生産性が低すぎる」ことや「セキュリティ対策が甘すぎること」を挙げました。
その上で山口社長は、日本IBMが手掛けているAI・人工機能を活用した技術が、豆腐の製造や検品、缶チューハイの様々な味の調合、船舶の完全自動航行など、かなり身近な分野に浸透していることや、人間の立入りが困難な場所で作業するロボットの導入が進んでいることを示し、IT・AIの稼働が進んだ業種や顧客を繋げるオンラインシステムを構築することで、例として医療機関と保険会社を繋いだシステムで、カルテや診断書の作成から保険申請までをスムーズに出来る「医療と保健のDX(ディーエックス)」の有用性を強調しました。
そして「将来的には、スーパーコンピューターを活用した新型コロナ対策研究の強化や、遠隔操作による中山間地の農業の業務負担軽減など、デジタル化による社会貢献も可能になる」と展望を示しました。
このほか、きょうのシンポジウムでは、東京大学未来ビジョン研究センターの西山圭太(にしやま・けいた)客員教授の基調講演や、パネルディスカッションも行われました。