紀伊半島豪雨から11年、各地で追悼
2022年09月04日 16時39分
和歌山・奈良・三重の3県で、死者や行方不明者が88人に上った2011年の紀伊半島豪雨から11年となったきょう(4日)、被災地では、遺族らが慰霊碑の前で、亡くなった人を追悼しました。
このうち、29人が犠牲となった那智勝浦町では、那智川(なちがわ)の流域で災害が発生し始めたとされる午前1時頃、遺族らおよそ30人が、井関(いせき)地区の「紀伊半島大水害記念公園」を訪れました。そして、犠牲者と同じ数のキャンドル型のLEDを地面に並べ、手を合わせ、亡くなった人を偲んでいました。会場では、直前まで降っていた雨がやみ、星空がのぞいていました。
区長の石井康夫(いしい・やすお)さん67歳は、「この日になると、地域で亡くなった一人ひとりの顔を思い出す。二度と同じ悲劇を繰り返さない」と誓っていました。
また、この日、正午には、町内に、防災サイレンが鳴り響き、遺族会代表らが、慰霊碑に花を供えました。
一方、14人が犠牲になった新宮市では、氾濫した熊野川沿いにある道の駅の慰霊碑前で、田岡実千年(たおか・みちとし)市長らが献花しました。
道の駅の隣の郷土料理店で働く竹田愛子(たけだ・あいこ)さん81歳は、同僚の女性を水害で亡くしたと話し、「災害の記憶を伝えていきたい」と慰霊碑に白菊をささげました。