ウクライナ人留学生語る 日中不再戦のつどい 

2022年08月15日 17時58分

イベント社会

終戦の日のきょう(8/15)、日本と中国との戦争が二度と起こらないよう願う「第52回日中不再戦のつどい」が海南市で開かれ、今年は、ロシアの侵略を受けているウクライナから和歌山大学に留学している女性が講演し、世界が団結してロシアの侵略に反対するよう訴えました。

講演するオリハさん(2022年8月15日・海南nobinos 2階ホールで)

この集いは、日中友好協会和歌山県連合会海南支部が毎年、終戦の日に開いているもので、きょう午前8時半から、海南市日方の海南nobinos(ノビノス)駐車場にある平和の塔の前で開かれた集いでは、日中友好協会和歌山県連合会海南支部長の幡川文彦(はたがわ・ふみひこ)さんが挨拶し、「ロシアがウクライナを侵略し、いま世界は混乱の中にある。この日中不再戦の碑は、かつての日中戦争で日本の軍国主義が中国に戦争に仕掛けたことを反省した上で、世界の平和を願うものなので、いまウクライナで起こっている戦争を私たちは、座視できない。自分の身に引き比べて戦争と平和を考えたい」と話しました。

挨拶する幡川会長

この後、ウクライナ人留学生のパーダルカ・オリハさん22歳を含めた参加者およそ30人が、1人ずつ日中両国平和の塔と書かれた記念碑に水を捧げ、平和を願いました。

水を捧げるオリハさん

このあと、ロシアによるウクライナ侵略後の今年(2022年)3月、和歌山大学に日本語を学ぶため留学してきたオリハさんが講演し、母国のウクライナについて、「3世紀にわたってロシアからの脅威を受けてきた。いまは、領土の20%をロシアに占領されている」と現状を説明しました。そして、「平和に暮らすことはすべての人の権利ですが、ウクライナ人はいま、この権利のために戦っています。世界のコミュニティが、いまロシアの行っていることすべてを認めてはいけません。ロシア侵略が、第三次世界大戦を引き起こすことのないよう、世界が団結してロシアの侵略に反対し、戦場のウクライナ兵が祖国を守り続けることを望んでいます」と訴え、戦争が長引くことで、さらに尊い命が奪われることのないよう、一刻も早い平和の訪れを願っていました。

講演するオリハさん

オリハさんの話を聞いていた女性は、「ロシアとウクライナの間に深い歴史があることを知ることができて、とてもよかった」と話していました。

講演の後、オリハさんは、「戦争が始まった頃と比べて、いまは闘いが激しくなっていますが、世界のマスコミでは、ウクライナについての記事がだんだん少なくなっていて、ウクライナに対する世界の支持が下がらないか、心配しています。私にできるのは、ウクライナに関する現状や戦争の背景などの情報を伝えること。ニュースでは、戦争捕虜に対するロシア側による拷問の証拠が出てきたりしていて、ロシアのことはさらに嫌いになりました。ロシアは、行った犯罪の責任を負わされなければならないと思います」と話していました。

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