熊楠の新たな書簡 田辺市で発見

2022年08月11日 18時50分

歴史・文化社会

和歌山市出身の博物学者、南方熊楠(みなかた・くまぐす)が県内で見つかった珍しいキノコについての所見やイラストを描いた書簡が見つかり、白浜町にある南方熊楠記念館が寄贈を受けたときのう(8/10)発表しました。

記念館によりますと、書簡は熊楠が1930年1月29日、現在の田辺市上秋津地区に住む男性にあてたもので、縦18センチ横53センチの書簡には、男性の自宅で見つかったキノコについて、新種の可能性があるという内容が書かれています。男性が、自宅にあったキンカンの枯れた幹に発生したキノコを、熊楠と面識のある医師を通じて熊楠に渡していたとみられています。

熊楠の日記には、この書簡を送ったという記録があり、日記には、書簡に記されたものと同じようなキノコのイラストが描かれていました。
書簡は、男性のひ孫が実家で父の遺品を整理していて見つけ、南方熊楠記念館に寄贈したということです。

記念館の三村宜敬(みむら・のぶたか)学芸員は「一般の人にも詳しく丁寧に説明しているところが熊楠らしい。初めての資料で貴重なものだ」と話しています。

この資料は今月(8月)18日から記念館で公開される予定です。

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