梧陵語り部ジュニア講座 2022年度もスタート

2022年08月10日 14時07分

教育災害・防災社会

江戸時代末期の安政の南海地震で、紀州広村、現在の広川町が津波に襲われた際、稲わらに火をつけ、村人を高台に誘導したとされる偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)を学ぶ梧陵語り部ジュニア講座が今年度(2022年度)も始まり、地元の小学生が梧陵の偉業を学んでいます。

今年度の開講式で記念撮影(2022年6月25日・広川町民会館で)

この取り組みは、おととし2020年に生誕200年を迎えた濱口梧陵の功績を次の世代を担う子どもたちに伝えていこうと、広川町教育委員会が、2018年度から主催しているもので、広川町の語り部サークルのメンバーが梧陵語り部ジュニアクラブを立ち上げ、子どもたちの指導にあたっています。

講座は、夏休みを利用してほぼ毎週行われていて、7月30日には、梧陵が造った広村堤防で、語り部の説明が行われ、子どもたちは、汗をぬぐいながら、広村堤防が、昭和南海地震から広川町を守ったことや、津波から逃げるために必要なことなどを熱心に聞いていました。

広村堤防で語り部から説明を受ける小学生(2022年7月30日)
小学生に語る熊野会長(左)

参加した小学生は「広村堤防は、村を津波から守るとともに、造ることで、村人に仕事を与えるためだった。梧陵さんのことをたくさん知って、発表してみんなに伝えたい」と話しました。

今年度から始まった英語の学習(2022年7月30日・耐久社で)

また、今年度の取り組みでは、講義の中に、英語の要素が取り入れられ、広村堤防で学習した後、子どもたちは、梧陵がつくった耐久社、現在の耐久中学校へ移動し、英語と日本語の両方で梧陵の功績を学びました。

梧陵語り部ジュニアクラブを運営する広川町日本遺産ガイドの会会長の熊野亨(くまの・とおる)さんは、「今年度、英語で発表したいという子が出てくれば、うれしいが、そうでなくとも、来年につなげられると思うし、グローバルな時代に、外国人にも説明できるよう取り組みたい」と話していました。

英語で講義を受けた子どもたちは「英語はあまり好きじゃないけど、英語の独特な言い方は面白い」などと話していました。

子どもたちは、今後、学習を重ねて考えをまとめ、グループごとに行われる冬休み明けの学習発表会に向けて準備を進めます。

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