和歌山市新水道事業ビジョン検討会議の初会合

2022年08月09日 17時55分

政治災害・防災社会経済

和歌山市の新水道事業ビジョンについて検討する外部の有識者による会議の初会合が、きょう(9日)和歌山城ホールで開かれ、紀の川北部に新たな浄水場を設置する案や、去年(2021年)10月に崩落した六十谷水管橋(むそたすいかんきょう)とは別の並行送水管を設置する案などについて委員が協議しました。

きょうの初会合のもよう(8月9日・和歌山城ホール)

和歌山市の新水道事業ビジョンには、去年10月の六十谷水管橋崩落事故を受け、2013年に策定された加納(かのう)浄水場の処理能力の増強と、紀の川の下を横断する並行送水管の設置に加え、紀の川北部の新しい浄水場の建設などが盛り込まれています。

和歌山市では、並行送水管の設置事業費におよそ25億円、新しい浄水場の建設事業費におよそ255億円をそれぞれ試算し、これらのどちらかを設置するか、両方とも設置するかの案を示しています。

また、市の水道事業の財政状況は、1998年の料金改定後、水道料金の収入が毎年1億円ずつ減少し続けている一方、施設の老朽化や強靱化に向けた事業費は、今後、増加を見込んでいます。

会議の冒頭あいさつする尾花和歌山市長(和歌山城ホールで)

会議の冒頭あいさつした和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は「紀の川北部地域の水道強化は緊急に必要」と述べ、委員に活発な議論を促しました。

座長で和大システム工学部の江種教授

検討会議の委員は、和歌山大学システム工学部の江種伸之(えぐさ・のぶゆき)教授を座長、日本水道協会・大阪支所の山野一弥(やまの・かずや)支所長を副座長に自治会や医師会、婦人団体など外部の10人の有識者で構成され、新水道事業ビジョンについて意見を交換しました。

委員からは「どんどん進めて欲しいと思う一方で、これだけの大規模工事なら水道料金への跳ね返りがある事は予想されるので、具体的な料金の見通しを示して欲しい」とか「新浄水場設置による断水への効果がわかりにくい。災害や停電などへの対応がどのようになるのか、メリット・デメリットを包み隠さず開示して欲しい」といった意見が出されました。

和歌山市では、今後、検討会議を再来年(2024年)11月まで5回開く予定で、この間、市民から意見を募集するパブリックコメントを行いながら、2025年の3月までに新水道事業ビジョンを策定することにしています。

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