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映画『稲むらの火』 県立美術館壁面で上映会

2022年07月25日 18時52分

イベント災害・防災社会

紀州・広村、現在の広川町出身の偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)が、江戸時代末期に安政の大地震が発生した際、刈り取ったばかりの稲わらに火をつけて津波から村人を救ったとされる逸話「稲むらの火」のアニメ映画の上映会が、このほど(7/22)、和歌山市で開かれました。

美術館の壁面に映し出された映画『稲むらの火』

これは、青少年の更生支援などに取り組んでいる和歌山県BBS連盟が、いのちの大切さについて考えてもらおうと、毎年7月の第4金曜日に和歌山市吹上の県立美術館前の屋外で、美術館の壁面を利用してアニメ映画の「稲むらの火」を上映しているものです。

新型コロナウイルス感染症が確認されたおととし(2020年)以降は、感染拡大防止のため、会場のイスの間隔を広くするなどして対応し、開催してきました。

今年の上映会では、はじめに和歌山県BBS連盟会長の髙垣晴夫(たかがき・はるお)さんが挨拶し、「すでに20年を経過したこの取り組みでは、生きることをあらためて考えるきっかけにしてもらおうと、毎回、実話に基づく『稲むらの火』を上映しています。さらに、7月が強調月間の社会を明るくする運動についても理解を深めていただきたい」と呼びかけました。

挨拶する髙垣会長

来賓として出席した和歌山保護観察所の企画調整課長、道野重信(みちの・しげのぶ)さんは、「犯罪がないのはすばらしいことですが、犯罪をしてしまった人がやりなおそうとしたときに、できるだけ受け入れてくれる絆のある社会を広げていくのが、この運動の目的です。観ていただく『稲むらの火』は、災害の物語で、犯罪や非行とは違うところがありますが、大切なのは、人と人との絆や、見捨てずになんとかしようとする心の優しさだと思います」と話しました。

挨拶する道野課長

上映会には、およそ30人が参加し、映画『稲むらの火』を観た和歌山市の福祉事業所に勤務する40代の男性は、「初めて観ましたが、東日本大震災をほうふつとさせる内容でした。実際に津波が押し寄せてきた場合、いち早く多くの人に知らせるため、何かを犠牲にしてでも対応するときが来るのかなと考えさせられました。事業所でも定期的な訓練を行っていく必要性を実感しました」と話していました。

映画『稲むらの火』の上映会は、来年も同じ県立近代美術館前で開かれる予定です。

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