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一日海上保安官に女子大生 「海の事故ゼロ」目指す

2022年07月15日 17時18分

社会

「海の事故ゼロキャンペーン」があす(7/16)から始まるのを前に、和歌山海上保安部はきょう(7/15)、出陣式を行い、和歌山市の女子大学生を「一日海上保安官」に任命し、ライフジャケットの着用などをPRしました。

巡視艇「きいかぜ」の前で敬礼する越野さん(2022年7月15日・雑賀崎漁港で)

きょう午前、和歌山市の和歌山港湾合同庁舎で行われた出陣式では、和歌山県警の警察官ら関係者を前に、和歌山海上保安部の山下雄一郎(やました・ゆういちろう)部長が訓示し、「和歌山県は美しい海や豊かな自然に恵まれていて、県内外からマリンレジャーのため多くの人が訪れる場所。この美しい景色の中で、事故により悲しい思いをされる人を生み出さぬよう『海難ゼロへの願い』を実現していきたい」と述べ、協力を呼びかけました。

訓示する山下部長

この後、「一日海上保安官」を務める四天王寺大学4年で、和歌山市在住の越野聖奈(こしの・せな)さん22歳が山下部長から任命状を受け取り、タスキを着けてもらいました。

越野さんは、「小学生の頃から夏休みになると、家族で海に出かけて遊んでいました。海の事故ゼロキャンペーンの一役を担えるよう頑張ります」と挨拶し、出陣式の後、巡視艇「きいかぜ」に乗り込みました。「きいかぜ」は、釣り客のいる雑賀崎漁港へ向かい、越野さんが、巡視艇のマイクでライフジャケットの着用を呼びかけました。

ライフジャケットの着用を呼びかける越野さん

この後、「一日海上保安官」の越野さんは、徳川吉宗の銅像がある県庁前交差点へ移動し、職員がライフジャケットを着用させた吉宗像の前で、通りかかる人に、リーフレットやマスクを配布し、キャンペーンの趣旨を説明していました。

吉宗公にライフジャケットを着ける

「一日海上保安官」を務めた越野さんは、「貴重な体験をさせてもらい、よかったです。毎年、海や川の事故を見ると、胸が苦しくなるので、今回、この活動を通して、もっとみんなに気を付けて遊んでほしいと思いました。海に出かける時には、ライフジャケットの着用や体調管理を徹底して事故にならないよう気を付けてほしい」と話しました。

関係者とともに吉宗公の銅像前で記念写真に納まる越野さん(中央)

和歌山海上保安部によりますと、和歌山県内では、釣りをしていて転落するなどの事故に遭った人は、去年1年間で12人となっていて、前の年の2倍以上で、このうち、5人が死亡し2人が行方不明となっています。

死亡したり行方不明になったりした7人は、救命胴衣を着けていれば、違った結果になったとみられていて、和歌山海上保安部の増田直之(ますだ・なおゆき)交通課長は、「これから夏本番を迎えて家族で海に遊びに行くケースが増えると思いますが、その際、釣りに行く場合などには、救命胴衣を正しくしっかりつけるかどうかで、命が助かる確率が格段に違ってくるので、楽しい思い出を楽しいまま残すためにも、救命胴衣の着用を徹底してほしい。もし事故に遭った場合には、海上保安庁の緊急電話118番に連絡してほしい」と呼びかけています。

救命胴衣を膨らませてみせる増田課長

あすから今月(7月)31日までの「海の事故ゼロキャンペーン」期間中、県内では、和歌山海上保安部のほか、田辺海上保安部と海南海上保安署、串本海上保安署が、関係機関と連携して海上パトロールや、さまざまな啓発活動を実施することにしています。

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