和歌山盲学校で七夕飾り 地域との交流復活へ
2022年07月07日 19時02分
和歌山県立和歌山盲学校の児童・生徒、それに地域の人たちの願い事を短冊にしてつけた笹飾りが、七夕のきょう(7/7)からあすにかけて和歌山盲学校の玄関前で展示されています。
和歌山盲学校では、昭和40年頃から毎年9月に地域の人や卒業生を招いて「寄宿舎祭」を開いてきましたが、去年(2021年)、おととし(2020年)と新型コロナウイルスの影響で中止になりました。
こうした中、和歌山盲学校は、寄宿舎祭の七夕バージョンを計画し、学校の地域にある連絡所に短冊と回収ボックスを設置したり、交流のある地元の子ども会に呼びかけるなどして願い事を書いた短冊を募り、きょうから盲学校の玄関前に立てた3本の笹に取り付けています。
短冊の数は、校内で書いた60枚を含めておよそ220枚にのぼりました。笹飾りには「視力回復!」「おにごっこをしたい」といった願い事のほか、コロナ禍やロシアウクライナ戦争が早く終結するよう願う短冊が付けられています。
和歌山盲学校高等部3年で寄宿舎祭係(かかり)代表の楠本修土(くすもと・しゅうと)さん17歳は、「思っていたより好評で、たくさんの短冊が寄せられてうれしい。みんなが平和で明るく楽しく過ごせる時代が戻ってきてほしいという思いから、自分の短冊には『コロナ・戦争が世界中からなくなりますように』と書きました。これまでのように学校へ来てもらうことはできませんでしたが、こういう形で交流できてうれしいし、コロナ禍がおさまれば、伝統行事の寄宿舎祭を続けていってほしい」と話しました。
また和歌山盲学校の松下香好(まつした・かこ)教頭は、「寄宿舎祭では、模擬店を開くなどして地域の人との交流を進めてきましたが、この2年間、地域との関りが薄くなっていたので、今回、アイデアを出し合って行いました。盲学校は、住宅街の中にあり、防災をはじめとした活動を支えてもらっているので、これからも、寄宿舎祭などを通して地域とのつながりを大切にしていきたい」と話しました。
笹飾りが展示されている和歌山市府中の県立和歌山盲学校・玄関前には、きょう夕方、地元の紀伊小学校に通うこども会の児童3人が引率の大人とともに訪れ、自分の書いた短冊を探して記念写真に納まったほか、点字で記された短冊の言葉を寄宿舎係代表の楠本さんから教えてもらっていました。
和歌山盲学校の寄宿舎に住む10人は、今夜、自分たちだけでゲームやイベントを楽しむことにしています。