和市大規模太陽光発電不許可で10億円損害賠償訴訟
2022年06月30日 18時34分
和歌山市の北部地域に計画されていた大規模な太陽光発電計画を不許可処分としたのは違法だとして、処分を受けた会社が、和歌山県と和歌山市を相手取り、10億円の損害賠償を求める訴えを起こしたことがわかりました。訴えられた県と市は、争う方針です。
この太陽光発電計画は、東京に所在する和歌山太陽光合同会社が、和歌山市平井の山林およそ66ヘクタールの事業区域に、12万7千枚余りの太陽光パネルを設置し、最大3万8500キロワットを発電するというもので、用地の半分にあたる33ヘクタールを、切り土や盛り土で造成することになっていました。
この計画申請に対し、和歌山市は、おととし(2020年)7月、安全性や景観面から計画を不許可とし、その後、去年1月には、和歌山県も不認定としていました。
訴えの中で、和歌山太陽光合同会社は、和歌山市平井で大規模な太陽光発電事業を行うため、県と市に対し、条例や森林法などに基づき申請したところ、要件を十分に備えていたにも関わらず、県と市は、客観性を欠く不透明な手続きで違法な不許可処分をし、事業の実施が困難となり、少なくとも10億円の損害を被ったとしています。
これに対し、和歌山市はきょうの定例記者会見で尾花正啓(おばな・まさひろ)市長が「和歌山市の処分に違法性はなく、応訴し、対応していく」と述べ、争う考えを示しました。
和歌山県も、同じ主張で原告と争う考えを示しています。
第1回口頭弁論は、来月(7月)15日に和歌山地方裁判所で開かれます。