6月県議会・仁坂知事・次期知事選不出馬を表明
2022年06月15日 18時47分
ことし(2022年)12月に4期目の任期満了を迎える和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事は、きょう(15日)開かれた6月定例県議会で、次の知事選挙には出馬しないことを表明しました。
仁坂知事は、きょうの県議会本会議の一般質問で、自民党県議団の谷洋一(たに・よういち)議員から次の知事選挙に出馬するかを尋ねられ「多選は好ましくないし、県の政界に次のリーダーをめぐる対立が起こるのは円滑な県政の遂行のさまたげとなる」と答え、次の知事選挙へ出馬しない考えを表明しました。
仁坂知事は、和歌山市出身の71歳、県立桐蔭(とういん)高校や東京大学経済学部を卒業後、現在の経済産業省に入省し、製造産業局次長などを歴任しました。
退官後はブルネイ大使や日本貿易会の専務理事を務めたのに続き、2006年、前の知事が官製談合事件で辞職したことに伴う知事選挙で初当選しました。その後、県発注の公共事業の入札方式の改革や、南海トラフ巨大地震や台風などへの防災体制の強化、県の産業振興への戦略、新型コロナウイルス対応などに力を入れました。
議会のあと、記者の質問に答えた仁坂知事は、後継者については「私がそのようなことを語るのは生意気だ」と言及を避けましたが、理想とする人物像に関して「自分を棄てて、仮に人に嫌われても筋道を立てて、論理的に県の勢いを回復させ、県民の幸せをに繋がることを主張し、実行できる人が良い」と語りました。
仁坂知事が次の選挙に出馬しないと表明したことについて、和歌山市のJR和歌山駅前で県民に話を聞きました。
県民からは、「びっくりしました。なんの問題もないし、うそをつかない、まじめな人と思っていたので、残念」「評判は悪くないし、まだ元気で頑張っていたので、あと一回やってもよかったんじゃないかと思う。本人が出ないというのだから仕方がないが、なんでやめんのかなと思う」と話していました。
仁坂知事の不出馬表明を受けて、かつて仁坂知事のもとで県土整備部長などを務めた和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は、「大変驚いている」とコメントしました。この中で、尾花市長は、企業や大学の誘致、道路整備などに関連して県と市で連携し、和歌山市の発展につながったことや、新型コロナウイルス感染症対策として和歌山モデルを構築し県内の感染抑制に貢献したことなどを、仁坂知事の功績として挙げ、「和歌山市を含めた県内にある市町村の発展と県民の生活を第一に考え、力強いリーダーシップを発揮し続けてこられたことに敬意を表するとともに、御礼を申し上げたい」としました。
ことし12月の任期満了に伴う和歌山県知事選挙には、先月(5月)衆議院和歌山1区選出の岸本周平(きしもと・しゅうへい)議員65歳が、国民民主党に離党届を提出し、無所属で立候補することを表明しています。