海南市の測量会社が「労災かくし」で書類送検
2022年06月10日 18時48分
厚生労働省・和歌山労働局は、作業員の労働災害を労働基準監督署に報告しない、いわゆる「労災かくし」を行っていたとして、きょう(10日)付けで、海南市の測量会社を、労働安全衛生法違反の疑いで和歌山地方検察庁に書類送検しました。
書類送検されたのは、海南市の株式会社三匠(さんしょう)と、この会社の社長です。
和歌山労働局の調べによりますと、三匠は、おととし(2020年)9月10日、紀の川市内で橋の点検作業を行っていたところ、高所作業車の操作を誤り、作業員がバケットの手すりと橋げたの間に右手を挟まれてケガを負い、4日以上にわたって休業する事態となりました。
労働安全衛生法では、労働者が労働災害で4日以上休業した場合は、速やかに労働基準監督署に報告書を提出するよう定められていますが、三匠は報告書を提出しなかった疑いです。
和歌山労働局では「故意に報告書を提出しないことや、ウソの報告書を提出することは、いわゆる『労災かくし』と呼ばれる犯罪で、労災の再発防止や、適正な労災保険の給付に悪影響を及ぼす」と指摘し、事業者に改めて注意を呼びかけています。