「有田・下津地域を 世界農業遺産に」協議会発足
2022年05月26日 18時33分
有田・下津地域世界農業遺産推進協議会の設立総会がきょう(5/26)有田川町で開かれ、再来年(2024年)2月の登録を目指した取り組みが始まりました。
有田地域と下津地域は、それぞれ日本農業遺産に認定されていますが、さらに地域の活性化を図ろうと、有田市や海南市といった地元の自治体やJA、商工会や観光協会などが集まり、世界農業遺産の認定を目指すことになったものです。
きょうの設立総会では、ありだ農業協同組合の代表理事組合長を務める森田耕司(もりた・こうじ)さんが会長に選ばれ、挨拶しました。
この中で、森田会長は、「下津地域は、下津蔵出しみかんシステムとして、有田地域は、みかん栽培の礎を築いた有田みかんシステムとして、それぞれ日本農業遺産に認定されていますが、この2つの地域が一つにまとまって世界農業遺産に申請することになりました。みかんの歴史あるこの地域が一つになって認定されることで、未来に向かって、誇りを持ってみかんを作っていけるようになることを願ってやみません」と述べました。
総会では、協議会設立のための議案などが承認され、今後、国内での審査を受けるため、来月(6月)8日までに農林水産省に申請書を提出することが決まりました。また、国内で認められれば、再来年、2024年2月の認定を目指して農水省が、国連の食糧農業機関に申請します。
世界農業遺産の認定を目指す有田・下津地域のシステムは、400年前から、石積みで階段状の園地を築き、江戸時代には、日本で初めての共同出荷組織「蜜柑方(みかんがた)」を組織した経緯があり、年内に出荷される有田みかんと、貯蔵技術を駆使した下津の蔵出しみかんで長期にわたる出荷が可能となっています。
世界農業遺産への申請にあたって、有識者として助言し、設立総会にも出席した、農学博士で近畿大学生物理工学部・地域交流センター長の仁藤伸昌(にとう・のぶまさ)さんは、「ヨーロッパから取り入れて栽培しているアメリカのみかんと違って、和歌山県では、明治以降、100年近く、日本で生まれたみかんを日本で育てているのが大きな特徴。申請の手伝いをしてあらためて有田みかんの奥深さを知った。認定されるのがすごく楽しみ」と話しました。
和歌山県内では、「みなべ・田辺の梅システム」がすでに世界農業遺産に認定されています。