パワハラで署員自殺 和北署の前署長と前副署長懲戒
2022年05月18日 21時58分
部下の男性署員にパワーハラスメントを繰り返したなどとして、和歌山県警察本部はきょう(5/18)、和歌山北警察署の前の署長と副署長を停職などの懲戒処分としました。パワハラを受けた男性署員は、今年(2022年)3月に自殺していて、処分を受けた2人は、依願退職しました。
処分を受けたのは、去年3月から今年3月まで和歌山北警察署の署長を務めていた59歳の男性警視と、副署長だった55歳の男性警視です。
県警監察課によりますと、前署長は、死亡した部下の男性署員に対し、去年10月頃から今年3月まで、幹部会議で能力を否定する発言をするなどしてパワハラを繰り返していたほか、別の男性署員に対しても、署長室で怒鳴りつけるなどしていました。
一方、副署長の男性警視は、死亡した署員が、精神的に不安定になっているという報告を、部下から受けたにも関わらず、適切な対応をとらなかったほか、別の男性署員にパワハラ行為をしていました。
死亡した男性署員は、前署長から「おまえは皆からうそつきと言われているぞ」などと言われた今年3月1日、警察署内で自殺を図り、搬送先の病院で2日後に亡くなりました。
この男性署員は、職場に残したノートの中に、前署長の言動や、自身の気持ちをつづっていて、県警監察課は、パワハラが、死亡した要因の一つになったと判断しました。
そして、きょう付で、前署長の男性警視を停職6ヶ月、前副署長の男性警視を減給6ヶ月の懲戒処分とし、これを受けて、2人はいずれも依願退職しました。
県警監察課の調査に対し、前署長は、「不適切だと言われれば、返す言葉もない。配慮が足りなかった。お悔やみ申し上げたい」と話し、前副署長は、「亡くなった署員のフォローはしていたが、職場環境を改善できていなかった」と話したということです。
県警の的場克郎(まとば・かつろう)首席監察官は、「職員の自殺は、組織として痛恨の極みであり、亡くなられた職員のご冥福をお祈りするとともにご遺族ならびに県民のみなさまに深くおわび申し上げます。今後、こうしたことのないよう、職員に対する指導や職場環境の改善など再発防止をはかり、信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。