和歌山城天守閣の段差解消へ 高校生がステップ寄贈
2022年05月11日 18時43分
和歌山城の天守閣にある段差を解消するため、高校生が木製の段差ステップを作り、和歌山市に寄贈しました。
この段差ステップは、県立和歌山工業高校・建築技術クラブが、和歌山城天守閣3階から外の回廊に出る際の40センチの段差を解消しようと、「国宝」和歌山城木造復建の会からの木材提供を受けて製作したもので、天守閣から回廊への4つの出入り口のうち、ステップのなかった3ヶ所に設置するため、3基を製作して、きのう(5/10)、和歌山市に寄贈しました。
和歌山城天守閣前の広場で行われた寄贈式では、2つの団体を代表して県立和歌山工業高校・建築技術部の部長を務める3年の山田大樹(やまだ・たいじゅ)さん17歳が尾花正啓(おばな・まさひろ)市長に目録を贈呈しました。これに対し、尾花市長は、山田さんと「国宝」和歌山城木造復建の会の白樫啓一(しらかし・けいいち)会長に感謝状を手渡しました。
この後、式典の出席者が、天守閣の3階までのぼり、県立和歌山工業高校・建築技術部のメンバー7人が、横幅およそ2メートル、高さおよそ23センチの木製の段差ステップを設置しました。
段差ステップを寄贈した高校生は、「木組みの溝を掘るために使った電動工具の扱いが大変でしたが、皆さんに利用してもらえるのはうれしい。段差ステップが汚れたらまた作りたい」「和歌山城に、自分たちの作ったものが置かれるのはすごいと思います。年配の人がちょっとでも段差を解消できるように、みんなが通りやすいようにと思って頑張ったので、和歌山城に是非、遊びに来てください」と話していました。
寄贈された段差ステップは、くぎを使わず、木組みで製作されていて、作り始めてから3週間ほどで完成したということです。