海南市贈収賄事件で初公判 電気工事会社社員、起訴内容認める

2022年05月09日 20時22分

社会

海南市発注の電気工事業務で有利な取り計らいを受けられるよう市の職員に現金を渡したとして、贈賄の罪に問われた、海南市の電気工事会社勤務の男に対する初公判がきょう(5/9)、和歌山地方裁判所で開かれ、男は、起訴内容を認め、検察側は、懲役10ヶ月を求刑しました。

起訴状などによりますと、海南市の電気工事会社に勤務する横出廣(よこで・ひろし)被告71歳は、海南市発注の工事で有利な取り計らいを受けた謝礼として、収賄の罪で起訴されている海南市の都市整備課建築係長を務める木下知海(きのした・ともうみ)被告46才に18万5千円を供与したとされています。

きょうの初公判で、横出被告は、「間違いございません」と述べ、起訴内容を全面的に認めました。

この後の冒頭陳述で、検察側は、海南市発注の工事に関する業務全般を統括していた横出被告が、業者の選定を行う立場にあった木下被告に対し、2014年頃から中元や歳暮を贈るなどし、木下被告は、入札する必要のない意契約や請書契約の工事を作り、横出被告の会社に発注するようになったと指摘しました。

その上で、横出被告の会社に海南市から工事代金が支払われた直後の去年4月、木下被告が横出被告の事務所を訪れ、18万5千円で購入したテレビの領収証を渡して暗にテレビ代金相当額の金銭を要求し、横出被告は、これに応じて、有利な取り計らいを受けた謝礼として、テレビの代金を渡したとしています。

また、きょうの公判では、被告人質問や、論告・求刑、そして最終弁論まで行われ、結審しました。

論告で検察側は、「長期間にわたり、公務の公正性や、公務の公正に対する市民の信頼を大きく害した」として、懲役10ヶ月を求刑したのに対し、弁護側は、「本人は、素直に罪を認め、心から反省しており、すでに社会的制裁も受けている」として執行猶予のついた判決を求めました。

判決は、今月(5月)30日に言い渡されます。

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