憲法改正に賛否双方から街宣 JR和駅前で
2022年05月03日 19時33分
憲法記念日のきょう(5/3)、和歌山市の玄関口、JR和歌山駅前で憲法改正に賛成と反対の立場からそれぞれ街頭宣伝活動が行われました。
改憲に賛成の立場で開かれたのは、自民党和歌山県連の憲法改正実現本部などが主催した「憲法改正県民集会」で、自民党の国会議員や県議会議員らが街宣カーの上でマイクを握り、憲法改正の必要性を訴えました。
自民党は、自衛隊の明記と緊急事態条項の規定、参議院の合区解消と教育の充実のあわせて4つの項目を憲法改正のたたき台として提案しています。
街頭演説で、自民党県連・憲法改正実現本部の吉井和視(よしい・かずみ)本部長は、「憲法に自衛隊を明記し、緊急事態条項を盛り込むためにも憲法改正が必要だが、これまで75年間、議論されてこなかった。いまようやく憲法審査会が国会で動き出してうれしい。次の参議院選挙でも争点にする必要がある」と力を込めました。
演説の後、吉井本部長は、「ウクライナの問題で、県民の関心も高まっている中で、日本も、近隣に好戦的な国があるので、自分の国を守る準備をしておく必要があるという議論が高まってきた。自衛隊の明記は、憲法改正の一丁目一番地で、憲法にのせておかないと、救える命も救えなくなる。次の参議院選挙では、真正面に憲法改正を掲げてこれまでにない選挙戦を展開したい」と話しました。
一方、改憲に反対の立場で行われたのは、憲法九条を守るわかやま県民の会などが主催した「憲法記念日宣伝行動inわかやま」で、弁護士や市民団体の代表らが「9条を含む憲法についてじっくり考えよう」と訴え、有志によるバンド演奏で、ウクライナの平和を願う歌などが披露されました。
憲法九条を守るわかやま県民の会の琴浦龍彦(ことうら・たつひこ)代表委員は、「ロシアのウクライナ侵略は、世界にどうやって平和を維持するのかを問いかけている。平和を維持するには、核兵器を持つのではなく、他国ともめごとが生じても平和的な話し合いで武力衝突には至らないようにする仕組みとしての憲法9条の知恵が重要で、東南アジア諸国連合ではこうした仕組みが効果をあげている」と指摘しました。
琴浦代表委員は、「憲法を変えようという動きがかつてないほど大きくなっている中での憲法記念日。憲法九条に関わる、敵基地攻撃能力などの議論は、憲法違反が明らかなのに、平気で言い始めている。ウクライナ侵攻に乗じて、自分たちの長年の思いを達したいということなのではないか。社会保障にしても、平和の問題にしても、憲法の掲げる理想と、現実の政治の違いがひどくなっており、これを近づけていかねばならない」と話しました。
憲法記念日のきょう、JR和歌山駅周辺では、憲法改正に賛成と反対の双方の立場から訴える街頭宣伝行動が行われ、通りかかった人が足をとめて演説に聞き入るなどしていました。