華岡青洲検定で授与式 51人に認定証
2022年04月18日 18時28分
江戸時代に世界で初めて全身麻酔による乳がんの摘出手術に成功し、医学の塾『春林軒』で多くの医師を育てた紀の川市の偉人、華岡青洲(はなおか・せいしゅう)の検定会がこのほど行われ、おととい(4/16)、認定証の授与式が行われました。
華岡青洲は、現在の紀の川市に拠点を置いた江戸時代の医師で、20年の歳月を経て麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」を完成させ、1804年、世界で初めて、麻酔薬を使った乳がんの摘出手術を成功させた偉人です。
今回の検定は、この青洲の偉業を顕彰しようと、一般財団法人「青洲の里」が初めて実施したもので、検定の前に開かれた学習会で、県立那賀高校の元校長、谷脇誠(たにわき・まこと)さんから青洲について学んだ51人が、今月(4月)16日の検定を受けました。そして、51人全員が、検定に合格し、おととい『春林軒』で開かれた授与式にのぞみ、弟子を送り出す際、青洲が与えた掛け軸の免状を模して作られた認定証を、谷脇さんから一人ずつ受け取りました。
検定を実施した「青洲の里」の代表理事を務める神徳政幸(じんとく・まさゆき)さんは、「2年前に代表理事に就任して最初に考えた青洲の顕彰として準備してきた学習会や検定を無事、行うことができました。今後は、検定に合格した人たちに語り部として活動してもらうため、華岡青洲の墓や、青洲が作ったため池などを巡る研修を行いたい。第2回の検定も必ず実施します」と話しました。
青洲検定を親子で受けた地元・紀の川市の山本宗代(やまもと・たかよ)さんと小学6年の彩加(あやか)さん親子は、「認定証をもらえてうれしいです。語り部としても登録したので、研修にも参加したい」「検定の前日は、2人でテキストを開いて確認し合いました。難しい漢字もありましたが、子どもも頑張ってくれました。自分たちの生活と都合があえば、語り部としても活動したい」と話していました。
また、認定証を手渡した谷脇さんは、「多くの皆さんが受講して検定に合格してくれました。今後、春林軒に来る機会があれば、そのときは、希望する観光客に説明してほしいし、春林軒に来ることがなくても、それぞれの地域や家庭内で話をして華岡青洲について広める活動をしてほしい」と話しました。
第1回の華岡青洲検定を受けたのは、11歳から89歳までの51人で、紀の川市を中心に、和歌山市など和歌山県内のほか、県外からも参加しました。