ＮＨＫの関連会社が、高野(こうや)町内のテレビ中継所の設備更新工事を行った際、近くを通る、世界遺産「高野参詣道女人道(こうやさんけいみち・にょにんみち)」に、無許可で土のうを敷き詰めたり、キャタピラ運搬機を乗り入れたりして、路肩などを破損したことがわかりました。

県教育委員会・文化遺産課によりますと、ＮＨＫは、高野町内のテレビ中継所の設備更新工事を関連会社に発注しました。

これを受注した下請け業者は、現場からおよそ２００メートルの、世界遺産に指定されている女人道の「ろくろ峠」と呼ばれる部分に土のうを敷き詰め、その上をキャタピラの付いた運搬機を通行させました。その際、路肩や丸太の階段の一部を破損しました。

今月（４月）１３日、世界遺産センターの職員が現地調査を行っていた際に現場を見つけ、現状変更が申請されているか高野町教育委員会に問い合わせたところ、無許可である事がわかり、県に連絡しました。

翌１４日、文化遺産課の職員が現地を確認したあと、ＮＨＫ側に工事を中止し、これ以上、現状変更を行わないよう指導しました。

文化遺産課では「今後、文化庁と高野町教育委員会などと協議し、適切な方法で現状復旧を図るとともに、法令に基づき厳正に対処する」とコメントしています。