落語で防災を学ぶ 和歌山市民図書館でイベント
2022年04月11日 17時57分
市民の防災意識を高めようというイベントがおととい(4/9)、和歌山市民図書館で開かれ、防災をテーマにした創作落語が披露されました。
これは、楽しみながら防災についての知識を身に付けてもらおうと和歌山市民図書館が企画したもので、市民図書館3階の『絵本の山』で開かれたイベントには、親子連れらおよそ30人が訪れ、和歌山市のアマチュア落語家で防災士の資格を持つ、ゴスペル亭パウロこと、小笠原浩一(おがさわら・こういち)さんが披露する2つの落語に聞き入りました。
はじめの落語では、日本で初めて防災士の資格を取ったという設定の「さだきちくん」が、世界の国土の0・3%しかない日本に、世界で発生する地震の2割が集中していることや、備蓄している食糧は、毎月、定期的に食べて補充するローリングストックの重要性など、学校で学んだ防災の知識を母親に伝える形で展開されました。
また、2つ目は、紀州の偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)を取り上げた落語で、安政の南海地震で、ふるさとの紀州・広村が大津波に襲われる中、村人を助けるため、稲わらに火をつけて高台に導いた逸話が紹介されました。
落語を聞いた和歌山市の小学5年生、神林優希(かんばやし・ゆき)さんは「地震や津波などの災害への備えをしっかりしないといけないと思いました。一番心に残ったのは、濱口梧陵の話で、あらためてすごい人だと思いました」と話し、母親の真衣(まい)さんは、「落語なら防災を楽しく学べるかなと思って訪れましたが、参加してよかったです。自宅には、避難袋を備えていますが、すぐに持ち出せるところに置いておくことや、重くなりすぎないようにしておくことが大事と知りました」と話していました。
防災落語を披露した小笠原さんは、「先日来、和歌山県でも震度4の地震が発生するなどしているので、身近に感じてもらえる人が多かったように思う。きょう配布した避難カードには、避難場所を書く欄がありますが、地震と津波と大雨の時では、避難先が違うので、防災マップなどで、それぞれ確認して災害に備えてほしい」と話しました。
また、濱口梧陵をテーマにした落語を人前で披露したのは、今回が初めてだったということで、小笠原さんは、「梧陵さんは、教育者としても素晴らしい人で、世界の人々が知るこの偉人からたくさんのことを学んでほしい」と話していました。