和県警「学校支援サポーター」派遣 対面式開催

2022年04月05日 19時39分

教育社会

いじめや校内暴力などの問題を解決するため、警察OBやOGを「学校支援サポーター」として派遣する、和歌山県警察本部の事業が今年度(2018年度)も始まり、きょう(4/5)、10人の学校支援サポーターと派遣先の中学校の校長による対面式が行われました。

学校支援サポーターと中学校長の対面式(2022年4月5日)

この事業は、2009年度から行われていて、今年度は、警察のOBとOGあわせて10人が、和歌山市内の8校と、岩出市内の1校、それに紀の川市内の1校に1人ずつ派遣されます。

対面式は、きょう午後、県庁北別館で行われ、はじめに、和歌山県警・少年課の中岡隆(なかおか・たかし)課長が挨拶し、「法令に抵触して検挙・補導された少年の数は、2004年のピーク時と比べて、去年は8割以上減少しているが、14歳未満の触法少年の補導人員は、ピーク時と比べて半減しているものの、令和に入って増加に転じていて、少年非行の低年齢化が心配される」と指摘しました。そして、学校支援サポーターと、受け入れ先の中学校の校長に対し、「生徒を見守る皆さんは、生徒のわずかな変化や危険信号を最初に察知できたり、その心情をくみ上げて対応できる最後の砦と推察されるので、学校支援サポーターと教職員との連携を密にしていただき、柔軟にアイデアをしぼって事案に対処してほしい」と呼びかけました。

挨拶する中岡・少年課長

これに対し、県教育委員会・教育支援課の川口勝也(かわぐち・かつや)課長は、「新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、新年度を迎えました。このような状況であるからこそ、サポーターの皆さんには、教職員とともに、子どもたちの様子をよく観察いただき、安心安全な学校づくりに向けてご支援をお願いします」と挨拶しました。

挨拶する川口・教育支援課長

学校支援サポーターは、平日のほぼ毎日、派遣先の中学校に出向き、校内や学校周辺を見回りしたり、生徒に声をかけて悩みや相談に応じるほか、教師への助言やサポートも行います。

学校支援サポーターとして、西脇中学校で10年目を迎える蔭地賢(おうじ・まさる)さん72歳は、「警察官だったので、悪い子どもの気持ちがわかります。親身になって話を聞いていると、最初は反発しますが、徐々に親しみを持ってくれます。10年前には、問題行動のある生徒が80人程度いましたが、ここ2年ほどは、ほとんどいません。ただ、内面的に弱い生徒が増えてきて、その子に合ったやり方が求められるので難しいですが、学校の先生と一緒に取り組んでいきたい」と語りました。

蔭地さんの派遣先である西脇中学校の髙木康子(たかぎ・やすこ)校長は、「蔭地(おうじ)さんは、毎朝、中学校の校門前に立って、生徒の様子を見てくれていて、様子のおかしい生徒を教えてくれるので、ありがたいです」と話していました。

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