コロナで延期の華岡青洲学習会 スタート

2022年03月26日 19時12分

イベント教育歴史・文化社会福祉・医療

江戸時代に世界で初めて全身麻酔による乳がんの摘出手術に成功し、多くの医師を育てた紀の川市の偉人、華岡青洲(はなおか・せいしゅう)の学習会が来月(4月)開催の検定会に向けてきょう(3/26)から始まりました。

学習会の様子(2022年3月26日・紀の川市那賀総合センターで)

華岡青洲は、現在の紀の川市に拠点を置いた江戸時代の医師で、20年の歳月を経て「通仙散(つうせんさん)」という麻酔薬を完成させ、1804年、世界で初めて、麻酔薬を使った乳がんの摘出手術を成功させた偉人で、今回の学習会は、この医聖・華岡青洲の業績を顕彰しようと活動している一般財団法人・青洲の里が初めて実施したものです。

当初、青洲の里は、2月の検定会実施を予定し、1月から学習会を始める予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で和歌山県に初めてまん延防止等重点措置が出される事態となり、延期していました。

きょう午前10時から開かれた学習会では、はじめに道の駅「青洲の里」の神徳政幸(じんとく・まさゆき)駅長が挨拶し、「華岡青洲は、医師としてだけではなく、この地域を何とかしようと尽力した人。学習会を通じて、青洲の神髄を勉強してください」と述べ、今後、検定を受けた人に語り部として登録してもらう考えも示しました。

挨拶する神徳駅長

このあと、「青洲の里」の評議員で、県立那賀高校の校長などを務めた谷脇誠(たにわき・まこと)さんが講師となり、谷脇さんがまとめたテキストをもとに学習会が行われました。

講義を行った谷脇さん

この中で、谷脇さんは、「青洲は、いくつもの世界初の偉業を成し遂げた」と述べ、「通仙散(つうせんさん)という麻酔薬を作ったこと、体の一部ではなく全身麻酔を行ったこと、通仙散を使って乳がんの手術を行ったこと、そして成功したこと、この一つ一つが世界初の業績だ」と強調しました。

学習会には、参加申し込みのあったおよそ70人のうち、50人余りが出席したほか、講義の様子は録画され、出席できなかった参加者が動画投稿サイトなどで見られるようになっています。

学習会に参加した紀の川市の病院に勤務する看護師の山本宗代(やまもと・たかよ)さんと小学5年の彩加(あやか)さん親子は、「青洲の里の隣りにある看護学校に通っていたこともあり、地元のことを知りたいと思って参加しました。華岡青洲については、医学の部分で少し知っていましたが、きょうの講義では、知らないことがたくさんあったので、このあとが楽しみです」「検定に向けてがんばります」と話していました。

学習会は、あすと来月(4月)2日にも開かれ、来月10日の検定会を経て16日に道の駅「青洲の里」で認定証の授与式が行われます。

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