再生紙容器や竹ひご支柱使用・SDGs時代の胡蝶蘭

2022年03月23日 16時48分

社会経済

再生紙で作った鉢植えの容器や、竹ひごやヒノキで作った支柱を使ったり、花が落ちた苗を回収して新しい花をつけた状態に育て直して再出荷する、地球環境に配慮した胡蝶蘭(こちょうらん)の販売システムを、このほど、有田市(ありだし)の企業が開発しました。

「フォアス」ブランドの胡蝶蘭販売システムを開発した佐原社長(右)と販売責任者の竹中さん(左)(3月23日・有田市千田)

この取組みは、有田市千田(ちだ)でおよそ40年前から胡蝶蘭のハウス栽培を手掛けている、有限会社ヒカル・オーキッドが、持続可能な開発目標・SDGs(エスディージーズ)の一環として行っているものです。

再生紙で作られた鉢

従来、鉢には陶器が、枝を整える支柱には鉄線が使用されてきました。また、一度花が落ちた苗は棄てられてしまうため、重さや資源保護などの観点から、再生可能な素材で代用したり、苗を育て直すことができないか、およそ5年をかけて開発に取組みました。

備長炭を塗り込んだ支柱

その結果、堅さと軽さを兼ね備えた100%再生紙で作った鉢と、備長炭(びんちょうたん)を塗り込んだ竹ひごやヒノキで作った支柱をそれぞれ開発することで解決したほか、花の落ちた苗を回収して育て直し、再び花を咲かせて再出荷する循環システムを確立しました。

生分解バイオプラスチック製の水差し

さらに、ユーザーが胡蝶蘭に水を与える差し込み式の水差しを、トウモロコシ由来の生分解バイオプラスチックで製造するなど、地球環境に極力配慮したものとなっています。

ヒカル・オーキッドの佐原社長

ヒカル・オーキッドの佐原宏(さはら・ひろし)社長は「地球に優しい胡蝶蘭は空間に彩りを添えるだけでなく、様々な気付きや、心の潤いを与えてくれます。和歌山の豊かな地域資源を見直す良いきっかけになれば」と話しています。

ハウスで栽培される胡蝶蘭

ヒカル・オーキッドでは、このシステムで出荷する胡蝶蘭に、英語で「たったひとつの地球のために」を意味する「For One Earth(フォー・ワン・アース)」という言葉から「フォアス」というブランド名をつけて、企業や個人向けまで、様々な規模の鉢植えを用意し、有田市から全国各地へ出荷しています。

SDGsに賛同する旨が書かれた贈答用の立て札

さらに、贈答用として贈る際には、送り主がSDGsの趣旨に賛同する事を示す立て札も用意しています。

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