海南市の一木旅館など国の登録有形文化財に
2022年03月19日 07時13分
国の文化審議会は、きのう(18日)開いた分科会で、海南市の一木旅館(いちきりょかん)と橋本市の上田家住宅(うえだけじゅうたく)のあわせて8件を含む全国の建造物を、国の登録有形文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。
海南市下津町(しもつちょう)の一木旅館は、紀州徳川家の菩提寺・長保寺(ちょうほうじ)の参道沿いにかつてあった旅館で、現在は旅館になっています。本館は江戸時代末期に建設され、平屋建て、切妻造(きりづまづくり)、瓦葺き(かわらぶき)の軒が低い重厚な外観で、地域の歴史的景観に欠かせない貴重な建造物として高く評価されました。
橋本市の紀の川南岸にある上田家住宅は、かつて庄屋を務めた上田家の住居で、昭和4年(1929年)ごろに建設された平屋建て、入母屋(いりもや)造り、瓦葺きの伝統的な佇まいです。離れ座敷や蔵は明治時代後期の建設で、ともに紀州青石(きしゅうあおいし)の石垣に建設され、景観を引き締めています。
県内にある国の登録有形文化財に指定された建造物は、これで113か所・311件となる予定で、後日、国の官報で正式に告示される見込みです。