田辺市と南方熊楠顕彰会は、このほど、第３２回南方熊楠(みなかた・くまぐす)賞に、食文化史研究で知られる東京家政学院大学名誉教授の江原絢子(えはら・あやこ)さんを選んだと発表しました。授賞式は５月１４日に田辺市で開かれます。

顕彰会では、江原さんが作り手の視点から日本の食文化を探求し、「和食文化」を学術領域として確立することに貢献したと評価、広く文献を求め、現地調査も徹底するというスタイルは熊楠の精神に通じるとしています。

江原さんは「大変光栄だ。熊楠翁の姿勢に学び、研究を続けたい」などとするコメントを出しています。

南方熊楠賞は、民俗学や博物学の独創的な研究で知られる熊楠が、生涯を閉じた田辺市で、没後５０年記念事業として１９９０年に制定され、自然科学と人文の分野から毎年交互に選び、今回は人文分野から選考されました。